2割特例・インボイスのよくある誤解
最終確認日: (数値は一次情報で照合)
よくある誤解は主に4つです。(1)免税事業者からの仕入れの控除割合は2026年10月から50%→正しくは70%、(2)2割特例はこれからも続く→令和8年分で終了、(3)3割特例は法人も使える→個人事業者のみ、(4)登録をやめれば消費税は不要→基準期間の売上次第。いずれも一次情報で確認できます。
この記事の要点
- 控除割合は「2026年10月から50%」ではなく70%(改正で延長された)。
- 2割特例は続かない。令和8年分(12月決算法人は令和8年12月期)で終了する。
- 3割特例は個人事業者だけの経過措置で、法人は対象外。
- 登録をやめても、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えれば課税事業者のまま。
誤解1:控除割合は2026年10月から50%になる
正しくは70%です。 免税事業者などからの仕入れの控除割合は、改正前は「令和8年10月から50%」でしたが、令和8年度税制改正で期限が延長され、令和8年10月1日から令和10年9月30日までは70%に緩和されました。改正前に書かれた解説記事が古い数字のまま残っているため、検索で50%を見かけても、国税庁のリーフレットで確認してください。
誤解2:2割特例はこれからも続く
続きません。 2割特例は令和8年9月30日までの日の属する課税期間で終了します。個人事業者は令和8年分(2026年)まで、12月決算の法人は令和8年12月期までです。令和9年以降も同じ計算が使えると考えていると、納付額の見込みが変わります。
誤解3:3割特例は法人も使える
3割特例は個人事業者のみが対象です。 法人は令和9年分から2割特例・3割特例のいずれも使えず、本則課税か簡易課税で計算します。「特例が3割で続く」と考えていると、法人では前提が崩れます。
誤解4:登録をやめれば消費税は納めなくてよい
基準期間の課税売上高しだいです。 インボイス発行事業者の登録をやめても、基準期間(原則2年前)の課税売上高が1,000万円を超えていれば課税事業者のままで、納付義務は残ります。登録の取りやめと免税事業者になることは別の話です。
誤解5:登録すれば自動で特例が適用される
2割特例や3割特例は、要件を満たしたうえで確定申告のときに適用します。特に3割特例は確定申告書への付記が必要で、付記を忘れると適用を受けられません。自動で有利な計算になるわけではない点に注意してください。
確かめ方
いずれの誤解も、国税庁の一次情報と試算ツールで確認できます。数値の目安を出したうえで、自分のケースにどう当てはまるかは、税理士や税務署にご確認ください。
経営者の疑問と、制度の事実
答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。
経営者ネットで、免税事業者からの仕入れは2026年10月から50%までしか引けないと書いてあった。うちも身構えたほうがいいのか。
制度の事実免税事業者などからの仕入れの控除割合は、令和8年10月1日から令和10年9月30日までは70%です。改正前は50%とされていましたが、令和8年度税制改正で期限が延長され70%に緩和されました。古い記述は改正前のものなので、国税庁のリーフレットでご確認ください。
経営者3割特例は、うちのような法人でも使えるんだろう。
制度の事実3割特例は個人事業者のみを対象とする経過措置で、法人は対象外です。法人は令和9年分から2割特例・3割特例のいずれも使えず、本則課税か簡易課税で計算します。自社の課税期間での扱いは税理士や税務署にご確認ください。
経営者登録さえしておけば、確定申告で自動的に特例が適用されるんだよな。
制度の事実2割特例や3割特例は、要件を満たしたうえで確定申告のときに適用します。特に3割特例は確定申告書への付記が必要で、付記を忘れると適用を受けられません。手続きの詳細は税務署にご確認ください。
よくある質問
- ネット記事によって控除割合の数字が違うのはなぜですか?
- 令和8年度税制改正の前は「令和8年10月から50%」でした。改正で期限が延長され70%に緩和されたため、改正前に書かれた記事は古い数字のまま残っています。国税庁のリーフレットなど一次情報でご確認ください。
- 自分の思い込みが正しいか確かめるには?
- 制度の数値は国税庁の資料で確認でき、自分の税額の目安は試算ツールで確かめられます。そのうえで、適用の可否など個別の判断は税理士や税務署にご相談ください。
個別の判断について
適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。
出典(一次情報)
- 国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(令和8年4月・令和8年5月改訂)確認日 2026-08-13
- 国税庁 タックスアンサー No.6505「簡易課税制度」確認日 2026-08-13
法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。