令和8年度税制改正に対応

インボイスの経過措置の全体像(2026年以降)

最終確認日: (数値は一次情報で照合)

結論から

インボイスの経過措置は主に3つです。(1)納める側の2割特例(令和8年分まで)と3割特例(個人の令和9・10年分)、(2)免税事業者からの仕入れの控除割合(〜2026年9月80%、以後70%→50%→30%→2031年10月0%)、(3)簡易課税の届出期限の特例。適用時期が制度ごとに違う点に注意してください。

この記事の要点

  • 納める側の特例:2割特例は令和8年分まで、3割特例は個人事業者の令和9・10年分のみ。
  • 仕入れる側の経過措置:免税事業者からの仕入れの控除割合が段階的に下がる(80→70→50→30→0%)。
  • 免税事業者からの仕入れは、令和8年10月以後に開始する課税期間で、取引先1社あたり税込1億円を超える部分が経過措置の対象外。
  • 簡易課税の届出期限の特例により、2割・3割特例を受けた事業者はあとから簡易課税を選べる場合がある。

経過措置は「納める側」と「仕入れる側」に分かれる

インボイス制度の経過措置は、大きく「消費税を納める側(小規模事業者)」の特例と、「仕入れる側(課税事業者)」の経過措置に分かれます。混同されやすいので、まず立場ごとに分けて整理します。

1. 納める側:2割特例と3割特例

課税期間個人事業者法人(12月決算)
令和8年分(2026)2割特例2割特例
令和9年分(2027)3割特例特例なし
令和10年分(2028)3割特例特例なし
令和11年分(2029)以降特例なし特例なし

2割特例は納付税額を売上税額の2割、3割特例は3割で計算できる経過措置です。3割特例は個人事業者のみが対象で、確定申告書への付記が必要です。

2. 仕入れる側:免税事業者からの仕入れの控除割合

課税事業者が免税事業者などから仕入れる場合、支払った消費税相当額の一定割合を仕入税額控除できる経過措置があります。割合は段階的に下がります。

期間控除できる割合
〜 令和8年9月30日80%
令和8年10月1日 〜 令和10年9月30日70%
令和10年10月1日 〜 令和12年9月30日50%
令和12年10月1日 〜 令和13年9月30日30%
令和13年10月1日以降0%(適用終了)

あわせて、免税事業者などからの課税仕入れが、令和8年10月1日以後に開始する課税期間で、取引先1社あたり税込1億円を超える場合、その超えた部分はこの経過措置の対象外になります(改正前の上限は10億円)。

注意:改正前は「令和8年10月から50%」でしたが、令和8年度改正で期限が延長され「70%」に緩和されました。古い解説記事の数字にご注意ください。

3. 簡易課税の届出期限の特例

2割特例・3割特例を受けた事業者は、通常より遅い時期まで簡易課税制度選択届出書を提出でき、実績を見てから簡易課税を選べる場合があります。原則(課税期間の開始前までに届出)の重要な例外です。

全体像を押さえたうえで

経過措置は制度ごとに適用の基準や時期が異なります。自分の課税期間にどれが当てはまるか、金額がいくらになるかは、試算ツールで確認したうえで、最終的な判断は税理士や税務署にご相談ください。

経営者の疑問と、制度の事実

答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。

経営者経過措置がいろいろあって、正直よく分からん。うちに関係するのはどれだ。

制度の事実経過措置は大きく、消費税を納める側の特例(2割特例・3割特例)と、仕入れる側の控除割合の経過措置、簡易課税の届出期限の特例に分かれます。どれが自分の課税期間に当てはまるかは立場や事業ごとに変わるため、税理士や税務署にご確認ください。

経営者免税の相手から仕入れたとき、今は何割まで引けるんだ。

制度の事実免税事業者などからの仕入れの控除割合は、令和8年9月30日までは80%、令和8年10月1日から令和10年9月30日までは70%、以後50%、30%と下がり、令和13年10月1日に0%(適用終了)となります。改正前の古い数字が残っていることがあるため、国税庁の資料でご確認ください。

経営者実績を見てから簡易課税を選べる特例があると聞いたが、本当か。

制度の事実2割特例・3割特例を受けた事業者には簡易課税の届出期限の特例があり、実績を見てからあとで簡易課税を選べる場合があります。これは原則(課税期間の開始前までに届出)の例外です。自分が使えるかは税理士や税務署にご確認ください。

よくある質問

免税事業者からの仕入れの控除割合は今いくつですか?
国税庁のリーフレットによると、令和8年9月30日までは80%、令和8年10月1日から令和10年9月30日までは70%、以後50%、30%と下がり、令和13年10月1日に0%(適用終了)となります。二次情報には改正前の「2026年10月から50%」という古い記述が残っていることがあるため、一次情報でご確認ください。
経過措置はどれも同じ時期に始まりますか?
いいえ。控除割合の切り替えは日付基準、1億円の上限は課税期間基準など、制度ごとに適用の基準が異なります。自分の課税期間にどれが当てはまるかは、税理士や税務署にご確認ください。

個別の判断について

適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。

出典(一次情報)

法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。

本ページは公表されている制度情報にもとづく解説と試算の補助であり、税務に関する助言ではありません。個別の判断は必ず税理士等の専門家にご確認ください(所轄の税務署でも確認できます)。

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