令和8年度税制改正に対応

税務署の時間外収受箱に入れた日は、消印の日付とは扱いが違います(発信主義は郵便・信書便だけ)

最終確認日: (数値は一次情報で照合)

結論から

国税庁 タックスアンサー No.2036 は「申告書を、郵便または信書便を利用して税務署に提出する場合には、その郵便物または信書便物の通信日付印により表示された日が提出日とみなされます」としたうえで、「それ以外の方法で提出された場合には、税務署に申告書が到達した日が提出日となります」と記載しています。書面で提出する手段は、国税庁および国税局の案内によれば、税務署の窓口へ持参する方法、郵便・信書便による送付、税務署の時間外文書収受箱(夜間文書収受箱)への投函の3つです。このうち通信日付印の取扱いの対象として条文に書かれているのは郵便と信書便で、国税通則法22条は「郵便又は信書便により提出された場合」と定めています。収受箱への投函がここに含まれるとする記載は、国税庁の公表資料には見当たりません。なお国税庁は、到達の根拠法令等として民法97条を挙げています。同条1項は「意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる」と定めています。投函した時点で到達となるのか、税務署が箱から取り出した時点で到達となるのかについては、国税庁の公表資料に記載を確認できていません。自社の書類をいつ・どの方法で提出するかについては、税理士または税務署にご確認ください。

この記事の要点

  • 税務署の閉庁日(土曜日、日曜日、祝日および12月29日から1月3日)でも、申告書等は時間外文書収受箱(夜間文書収受箱)へ投函して提出できると、国税庁および関東信越国税局の案内に記載されている。
  • 国税庁 タックスアンサー No.2036 は、郵便または信書便で提出した場合は通信日付印により表示された日が提出日とみなされ、「それ以外の方法で提出された場合には、税務署に申告書が到達した日が提出日となります」と記載している。
  • 国税通則法22条は、通信日付印の取扱いの対象を「郵便又は信書便により提出された場合」と定めている。収受箱への投函を同条に含める記載は、国税庁の公表資料に見当たらない。
  • 国税庁はタックスアンサー No.2036 の根拠法令等の欄に民法97条を挙げている。同条1項は「意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる」と定めている。
  • 税務署の開庁時間は、月曜日から金曜日(祝日等を除く)の午前8時30分から午後5時までと記載されている。12月29日から1月3日は閉庁日にあたる。
  • 令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつは行われていない。希望者には、収受した日付と税務署名(業務センター名)を記載したリーフレットが渡されると記載されている。
  • いっぽう消費税課税事業者選択届出書・同不適用届出書・消費税簡易課税制度選択届出書・同不適用届出書は、郵便・信書便で提出した場合は通信日付印により表示された日が提出日とみなされる書類として、税務大学校の講本の一覧に挙げられている。

書面で出す方法は、3つしかありません

税務署の窓口が開いているのは、月曜日から金曜日(祝日等を除く)の午前8時30分から午後5時までです。国税庁「【税務署の開庁時間】Q13」にそう記載されています。

では、その時間に行けない日はどうするのか。関東信越国税局「申告書等の提出方法のお知らせ」は、税務署の閉庁日について次のように案内しています。

税務署の閉庁日(土曜日、日曜日、祝日及び年末年始(12月29日から1月3日))は、税務署では相談や申告書等の受付は行っておりませんが、申告書等の提出は、次の方法によることもできます。 ◆e-Tax(国税電子申告・納税システム)による送信(事前に利用開始のための手続等が必要です。) ◆税務署の時間外文書収受箱(夜間文書収受箱)への投函 ◆郵便(※1)又は信書便(※2)による送付(通信日付印により表示された日が提出された日になります。)

e-Tax を別にすれば、書面を出す方法は「窓口へ持参」「郵便・信書便で送る」「時間外文書収受箱へ投函する」の3つです。

この記事で扱うのは、そのうち 3つめの「収受箱への投函」だけが、提出日の扱いの説明から外れている という一点です。上の引用をもう一度見ると、括弧で「通信日付印により表示された日が提出された日になります」と書かれているのは、郵便・信書便の行だけです。

国税庁が一か所だけ書いている一文

提出日の扱いを書いているのは、国税庁 タックスアンサー No.2036《確定申告書の税務署への送付》 です。ここに次の2文が並んでいます。

申告書を、郵便または信書便を利用して税務署に提出する場合には、その郵便物または信書便物の通信日付印により表示された日が提出日とみなされます。 それ以外の方法で提出された場合には、税務署に申告書が到達した日が提出日となります。

前の段落で見たとおり、書面の提出手段は3つです。そのうち郵便・信書便が1つめの文にあたりますから、「それ以外の方法」とは、窓口への持参と、収受箱への投函ということになります。

短い文ですが、ここが分かれ目です。郵便なら「出した日」、それ以外なら「着いた日」と読み分けられています。

条文の側から見ても、入口で外れています

この扱いのもとになっているのは 国税通則法22条 です。同条は、通信日付印により表示された日に提出されたものとみなす対象を、次のように限定しています。

納税申告書……その他国税庁長官が定める書類が郵便又は信書便により提出された場合には、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日(中略)にその提出がされたものとみなす。

条文が名指ししているのは 「郵便」と「信書便」の2つだけです。収受箱への投函はどちらでもありませんから、書類の種類が何であるかを見る前に、手段の段階で条文の外になります。

国税庁長官の告示(発信主義の適用範囲を定める告示)はどの書類が対象になるかを定めるものであって、送達の手段を広げるものではありません。ですから、告示に名前が載っている届出書であっても、収受箱へ投函する限りは同じことになります。

「到達」とは何かを、国税庁は民法97条で説明しています

では「到達した日」の「到達」とは何か。国税庁は、タックスアンサー No.2036 の根拠法令等の欄に、次の条文を挙げています。

通法10、22、通令2、所法120、民法97、郵便法4、民間事業者による信書の送達に関する法律3

民法97条1項は、こう定めています。

意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

税務大学校の講本『国税通則法(基礎編)』にも、同じ整理が書かれています。

⑵ 提出書類の効力発生時期  納税者などから税務署などへ提出された書類は、それが到達した時に効力を生ずる(到達主義)。  ただし、通則法第22条は、郵便又は信書便により提出された納税申告書…及び国税庁長官が定める書類については発信主義を適用し、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日に提出されたものとみなすこととしている。

つまり、到達主義が原則で、郵便・信書便だけが例外という構造です。

ここから先は、公表資料に書かれていません

残る問いが1つあります。投函した時点で「到達」なのか、それとも税務署が翌開庁日に箱から取り出した時点で「到達」なのか。

この点を書いた国税庁の公表資料を、当サイトは確認できていません。 次の資料をあたりましたが、いずれにも「投函」「収受箱」と「到達」を結びつけた記載はありませんでした。

あたった資料結果
国税通則法基本通達第22条関係の定めが公開されていない
申告書等の控えへの収受日付印の押なつの見直しに関するQ&A「時間外」「投函」「収受箱」「到達」の記載なし
国税庁行政文書管理規則「収受」「到達」「時間外」の記載なし
税務大学校 講本『国税通則法(基礎編)』到達主義・発信主義の説明はあるが「時間外」「投函」「収受箱」の記載なし
各国税局・税務署の案内「投函して提出することができます」までで、提出日の扱いの記載なし

当サイトは、公表資料に書かれていないことを推測で補いません。 ここは「国税庁の公表資料には書かれていない」と記すところまでにとどめます。期限が迫った書類について確実な取扱いが必要な場合は、税理士または税務署にご確認ください。

控えの収受日付印は、令和7年1月から押されていません

提出の記録という点で、もう一つ変わったことがあります。国税庁「【税務署の開庁時間】Q13」の記載です。

※ 令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行っておりません。  また、申告書等の控えに収受日付印の押なつは行いませんが、必要に応じて、ご自身で控えの作成及び保有、提出年月日の記録・管理をお願いします  なお、令和7年1月以降、当分の間の対応として、「リーフレット」(今般の見直しの内容と申告書等の提出事実等の確認方法をご案内するもの)に申告書等を収受した「日付」や「税務署名(業務センター名)」を記載したものを、希望者にお渡ししています。

収受箱へ投函する場合、窓口のやりとりそのものがありませんから、その場でリーフレットを受け取ることもできません。提出の事実をどのように記録・保存するかについては、税理士または税務署にご確認ください。

なお、書面の郵送先は、内部事務のセンター化の対象となった税務署では業務センターになります(国税庁「税務署の内部事務のセンター化について」)。いっぽう窓口と時間外文書収受箱は、所轄の税務署にあります。送り先と投函先が別になる場合がありますので、この点も国税庁の同ページでご確認ください。

消費税の届出書を郵便で出す場合は、扱いが違います

ここまでは収受箱の話でした。対になる事実も押さえておきます。

税務大学校の講本『国税通則法(基礎編)』の「発信主義が適用される主な書類一覧」には、消費税の書類として次のものが挙げられています。

消費税の確定申告書(消法45①) 消費税申告期限延長届出書(消法45の2①) 消費税課税事業者選択届出書(消法9④) 消費税課税事業者選択不適用届出書(消法9⑤) 消費税簡易課税制度選択届出書(消法37①) 消費税簡易課税制度選択不適用届出書(消法37⑤)

つまり、この4つの届出書は、郵便・信書便で出す限り、通信日付印により表示された日が提出日とみなされる書類として一覧に載っています。

ただし書類の名前ごとに扱いが分かれます。国税庁「税務手続に関する主な書類の提出時期の一覧」では、消費税課税事業者届出書は到達主義の欄に印が付いています。届出書の種類と提出期限の一覧は [消費税の届出書は何種類あるか(提出期限の一覧と、期限が延びない届出書)](/articles/shohizei-todokedesho-ichiran/) にまとめてあります。通信日付印の取扱いそのものについては [12月29日から1月3日は、e-Tax で届出書を送信できません(年末年始の休止と、郵便の通信日付印)](/articles/nenmatsu-nenshi-todokedesho-etax/) をご覧ください。

閉庁日に e-Tax で出すという方法もありますが、e-Tax にも利用可能時間があります。詳しくは [確定申告の時期でも、e-Tax が24時間動いているとは限りません(月曜日の8時30分開始)](/articles/kakutei-shinkoku-jiki-etax-24jikan/) をご覧ください。

この記事のまとめ

  • 書面の提出手段は、窓口持参・郵便/信書便・時間外文書収受箱への投函の3つ。
  • 通信日付印により表示された日が提出日とみなされるのは、条文上 郵便と信書便。
  • それ以外の方法は、税務署に到達した日が提出日(タックスアンサー No.2036)。
  • 到達の時点をどう数えるかは、国税庁の公表資料に記載がありません。
  • 令和7年1月から、控えに収受日付印は押されていません。

個別の書類について、いつ・どの方法で提出するかについては、税理士または税務署にご確認ください。

経営者の疑問と、制度の事実

答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。

経営者期限の日が日曜で税務署が閉まっている。夜間の収受箱に入れておけば、その日に出したことになるのか。

制度の事実国税庁 タックスアンサー No.2036 は「申告書を、郵便または信書便を利用して税務署に提出する場合には、その郵便物または信書便物の通信日付印により表示された日が提出日とみなされます」としたうえで、「それ以外の方法で提出された場合には、税務署に申告書が到達した日が提出日となります」と記載しています。国税通則法22条も、通信日付印の取扱いの対象を「郵便又は信書便により提出された場合」と定めています。収受箱への投函は郵便でも信書便でもありません。そして、投函した時点で到達となるのか、税務署が箱から取り出した時点で到達となるのかについては、国税庁の公表資料に記載を確認できていません。御社の書類について、いつ・どの方法で提出するかは、税理士または税務署にご確認ください。

経営者郵便なら消印の日付でよいと聞いた。宅配便で送っても同じか。

制度の事実国税庁 タックスアンサー No.2036 は、税務上の申告書や申請書・届出書は「信書」に該当するとしたうえで、確定申告書やその添付書類を税務署に送付する場合には「郵便物」(第一種郵便物)または「信書便物」として送付する必要があり、各種小包郵便物や信書便物以外の荷物扱いで送付するのではなく、郵便または信書便を利用するよう留意を求める旨を記載しています。通信日付印により表示された日が提出日とみなされるのは、同じページの記載によれば郵便または信書便を利用した場合です。御社が使おうとしている送付手段がこれに当たるかは、税理士または税務署にご確認ください。

経営者控えに税務署の受付印をもらっておけば、いつ出したかの証拠になると思っていた。今もそうか。

制度の事実国税庁「【税務署の開庁時間】Q13」は「令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行っておりません」と記載しています。同じ記載は、必要に応じて自身で控えの作成および保有、提出年月日の記録・管理を行うよう求めています。また、令和7年1月以降 当分の間の対応として、申告書等を収受した「日付」や「税務署名(業務センター名)」を記載したリーフレットを希望者に渡していると記載されています。提出の事実をどのように記録・保存するかについては、税理士または税務署にご確認ください。

よくある質問

税務署が閉まっている日でも、書類を出す方法はありますか。
関東信越国税局「申告書等の提出方法のお知らせ」は、税務署の閉庁日(土曜日、日曜日、祝日および年末年始(12月29日から1月3日))について、税務署では相談や申告書等の受付は行っていないとしたうえで、提出の方法として、e-Taxによる送信、税務署の時間外文書収受箱(夜間文書収受箱)への投函、郵便または信書便による送付の3つを挙げています。国税庁「【税務署の開庁時間】Q13」にも「なお、税務署の閉庁日(土・日曜・祝日等)においても、申告書を税務署の時間外収受箱へ投函して提出することができます」と記載されています。自社の書類をどの方法で出すかについては、税理士または税務署にご確認ください。
収受箱に投函した場合、提出日はいつになりますか。
国税庁 タックスアンサー No.2036 は「申告書を、郵便または信書便を利用して税務署に提出する場合には、その郵便物または信書便物の通信日付印により表示された日が提出日とみなされます」としたうえで、「それ以外の方法で提出された場合には、税務署に申告書が到達した日が提出日となります」と記載しています。収受箱への投函は郵便でも信書便でもありませんので、この記載の「それ以外の方法」にあたる読み方になります。個別の書類についての当てはめは、税理士または税務署にご確認ください。
投函した時点が「到達」ですか、税務署が箱を開けた時点が「到達」ですか。
この点について記載した国税庁の公表資料は確認できていません。国税通則法基本通達には第22条関係の定めが公開されておらず、収受日付印の押なつの見直しに関するQ&A、国税庁行政文書管理規則、税務大学校の講本、各国税局・税務署の案内のいずれにも「投函」「収受箱」と「到達」を結びつけた記載は見当たりませんでした。当サイトは、公表資料に書かれていないことを推測で補うことはしません。自社の書類について確実な取扱いが必要な場合は、税理士または税務署にご確認ください。
国税庁のいう「到達」には、法令上の根拠がありますか。
国税庁はタックスアンサー No.2036 の根拠法令等の欄に「通法10、22、通令2、所法120、民法97、郵便法4、民間事業者による信書の送達に関する法律3」を挙げています。このうち民法97条1項は「意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる」と定めています。また税務大学校の講本「国税通則法(基礎編)」は「納税者などから税務署などへ提出された書類は、それが到達した時に効力を生ずる(到達主義)」としたうえで、国税通則法22条は郵便または信書便により提出された納税申告書等について発信主義を適用すると説明しています。
消費税の届出書を郵便で出した場合も、通信日付印の日付が提出日になりますか。
税務大学校の講本「国税通則法(基礎編)」の「発信主義が適用される主な書類一覧」には、消費税の項目として、消費税の確定申告書(消法45①)、消費税申告期限延長届出書(消法45の2①)、消費税課税事業者選択届出書(消法9④)、消費税課税事業者選択不適用届出書(消法9⑤)、消費税簡易課税制度選択届出書(消法37①)、消費税簡易課税制度選択不適用届出書(消法37⑤)が挙げられています。いっぽう国税庁「税務手続に関する主な書類の提出時期の一覧」では、消費税課税事業者届出書は到達主義の欄に印が付いています。書類の名前ごとに扱いが分かれていますので、自社が出す書類がどちらに当たるかは、税理士または税務署にご確認ください。
郵送する場合、送り先は税務署ですか、業務センターですか。
国税庁「税務署の内部事務のセンター化について」は、センター化の対象となった税務署について、書面で提出する申告書等の送付先を業務センターとする案内を掲載しています。いっぽう窓口での受付と時間外文書収受箱は所轄の税務署に置かれています。自社の所轄税務署がセンター化の対象かどうか、どこへ送るべきかについては、国税庁の同ページと、税理士または税務署にご確認ください。
控えに日付の入った印をもらえますか。
国税庁「【税務署の開庁時間】Q13」は「令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行っておりません」と記載しています。同じ記載には「申告書等の控えに収受日付印の押なつは行いませんが、必要に応じて、ご自身で控えの作成及び保有、提出年月日の記録・管理をお願いします」ともあります。また「令和7年1月以降、当分の間の対応として、『リーフレット』(今般の見直しの内容と申告書等の提出事実等の確認方法をご案内するもの)に申告書等を収受した『日付』や『税務署名(業務センター名)』を記載したものを、希望者にお渡ししています」と記載されています。

個別の判断について

適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。

出典(一次情報)

法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。

本ページは公表されている制度情報にもとづく解説と試算の補助であり、税務に関する助言ではありません。個別の判断は必ず税理士等の専門家にご確認ください(所轄の税務署でも確認できます)。

当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、広告を含みます(ページ上部に「PR」と表示しています)。