令和8年度税制改正に対応

簡易課税の届出は、あとから出せる場合があります(提出期限の特例)

最終確認日: (数値は一次情報で照合)

結論から

簡易課税制度選択届出書は、原則としてその課税期間が始まる前日までに提出します。ただし2割特例または3割特例の適用を受けた事業者は、その適用を受けた課税期間の翌課税期間について、その翌課税期間の確定申告期限までに提出すれば、その翌課税期間から簡易課税を適用できます。ご自身がこの特例の対象になるかは、税務署または税理士にご確認ください。

この記事の要点

  • 原則の提出期限は、簡易課税を適用したい課税期間の初日の前日まで。
  • 特例では、2割特例・3割特例を受けた課税期間の翌課税期間について、その翌課税期間の確定申告期限まで提出できる。
  • 特例の条件は、その翌課税期間が令和8年10月1日以後に終了する課税期間であること。
  • 12月決算法人は令和9年12月期の申告期限(令和10年2月29日)、個人事業者は令和11年分の申告期限(令和12年4月1日)が国税庁の示す例。
  • 簡易課税そのものの条件(基準期間の課税売上高5,000万円以下・原則2年間は変更不可)は別途満たす必要がある。

原則は「始まる前」に出す

簡易課税(仕入れの実額を使わず、売上に係る消費税額に事業区分ごとの割合を掛けて計算する方式)を使うには、「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出します。

原則の提出期限は、簡易課税を適用しようとする課税期間の初日の前日までです。個人事業者なら、令和11年分から使いたい場合は令和10年12月31日までに出しておく、という形になります。

つまり原則では、その年の売上や仕入れの実績が出る前に決めることになります。

2割特例・3割特例を受けた事業者には特例がある

令和8年度税制改正で、この提出期限に特例が設けられました。

2割特例または3割特例の適用を受けた適格請求書発行事業者が、その適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限までに簡易課税制度選択届出書を提出したときは、その翌課税期間から簡易課税制度を適用することができます。

適用の条件は、その翌課税期間が令和8年10月1日以後に終了する課税期間であることです。

国税庁が示している具体例

リーフレットには、次の2つの例が図で示されています。

対象提出期限簡易課税を適用できる課税期間
法人(例:12月決算)令和9年12月期の消費税の確定申告期限=令和10年2月29日令和9年12月期から
個人事業者令和11年分の消費税の確定申告期限=令和12年4月1日令和11年分から

法人(12月決算)は令和8年12月期まで2割特例を使えます。その翌課税期間である令和9年12月期について、令和10年2月29日までに届出書を出せば、令和9年12月期から簡易課税で計算できるという形です。

個人事業者は令和9年分・令和10年分に3割特例を使えます。その先の令和11年分について、令和12年4月1日までに届出書を出せば、令和11年分から簡易課税で計算できます。

簡易課税そのものの条件は別に満たす必要がある

提出期限の特例は「いつ出すか」の話です。簡易課税を使うこと自体の条件は、これとは別に満たす必要があります。

  • 基準期間の課税売上高が5,000万円以下の課税期間であること
  • 事業を廃止した場合を除き、選択届出書の効力が生ずる課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、選択不適用届出書を提出できないこと(実質的に原則2年間は本則課税に戻せません)

まず年ごとの金額を並べて見る

この特例があるかどうかで、届出のタイミングと、どの課税期間から簡易課税で計算できるかが変わります。

試算ツールでは、年ごと・方式ごとの税額を並べて確認できます。実際に届出書を出すかどうか、いつ出すか、ご自身が特例の対象になるかについては、税理士または税務署にご相談ください。

経営者の疑問と、制度の事実

答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。

経営者簡易課税っていうのは、年が始まる前に決めておかないと駄目なんだろう。うちはまだ数字が読めない。

制度の事実原則はそのとおりで、簡易課税制度選択届出書は適用したい課税期間の初日の前日までに提出します。ただし2割特例または3割特例の適用を受けた適格請求書発行事業者には提出期限の特例があり、その適用を受けた課税期間の翌課税期間については、その翌課税期間の確定申告期限までに提出すれば、その翌課税期間から簡易課税を適用できます。ご自身が特例の対象になるかは税務署または税理士にご確認ください。

経営者つまり、決算の数字を見てから出しても間に合う年がある、ということか。

制度の事実国税庁のリーフレットでは、12月決算法人は令和9年12月期の消費税の確定申告期限である令和10年2月29日まで、個人事業者は令和11年分の消費税の確定申告期限である令和12年4月1日までに届出書を提出することで、それぞれ令和9年12月期・令和11年分から簡易課税を適用できると示されています。適用にあたっての判断は税理士や税務署にご相談ください。

経営者この特例は、どの年でも使えるのか。条件はあるのか。

制度の事実特例が適用されるのは、その翌課税期間が令和8年10月1日以後に終了する課税期間である場合です。また簡易課税そのものの条件として、基準期間の課税売上高が5,000万円以下であることが必要で、選択後は原則2年間は本則課税に戻せません。個別の該当関係は税務署にご確認ください。

よくある質問

簡易課税の届出は、いつまでに出すのが原則ですか?
原則は、簡易課税を適用しようとする課税期間の初日の前日までです。つまり、その課税期間が始まる前に提出しておく必要があります。
提出期限の特例は誰が使えますか?
2割特例または3割特例の適用を受けた適格請求書発行事業者です。その適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限までに届出書を提出すると、その翌課税期間から簡易課税を適用できます。ご自身が対象かどうかは税務署にご確認ください。
特例の期限に間に合わなかった場合はどうなりますか?
特例による期限を過ぎた場合の取扱いは、個別の事情によって変わります。提出できる期限と適用される課税期間について、税務署または税理士にご相談ください。
簡易課税を選ぶと、すぐにやめられますか?
簡易課税は、事業を廃止した場合を除き、選択届出書の効力が生ずる課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、選択不適用届出書を提出できません。実質的に原則2年間は本則課税に戻せない形になります。

個別の判断について

適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。

出典(一次情報)

法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。

本ページは公表されている制度情報にもとづく解説と試算の補助であり、税務に関する助言ではありません。個別の判断は必ず税理士等の専門家にご確認ください(所轄の税務署でも確認できます)。

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