令和8年度税制改正に対応

個人事業主向け:2割特例終了後の消費税まとめ

最終確認日: (数値は一次情報で照合)

結論から

個人事業主は、令和8年分(2026年)まで2割特例、令和9・10年分は3割特例、令和11年分以降は本則課税か簡易課税で消費税を計算します。年ごとに計算方法が変わるため、どの年にいくらになるかを早めに把握しておくのが安全です。個別の判断は税務署や税理士に確認してください。

この記事の要点

  • 令和8年分(2026年)まで:2割特例(納付は売上税額の2割)。
  • 令和9・10年分:3割特例(納付は売上税額の3割)。確定申告書への付記が必要。
  • 3割特例には、基準期間(適用を受ける年の2年前)の課税売上高が1,000万円以下という要件がある。
  • 適用可否フローチャートには、特定期間(前年1月〜6月)の課税売上高も1,000万円以下であることが通過条件として書かれている。
  • 令和11年分(2029年)以降:本則課税か簡易課税で計算する。
  • 簡易課税を選ぶなら基準期間の課税売上高5,000万円以下と届出が条件。原則2年間は変えられない。

個人事業主の3年の流れ

個人事業主の課税期間は暦年(1月〜12月)です。2割特例の終了後、消費税の計算方法は年ごとに次のように変わります。

計算方法納付の目安
令和8年分(2026)2割特例売上に係る消費税額 × 20%
令和9年分(2027)3割特例売上に係る消費税額 × 30%
令和10年分(2028)3割特例売上に係る消費税額 × 30%
令和11年分(2029)以降本則課税 または 簡易課税事業内容による

令和8年分から令和9年分にかけて、納付の計算のもとになる割合が2割から3割へ上がります。売上税額が同じなら計算上は1.5倍が目安ですが、実際の金額は売上で変わります。

3割特例を使うときの注意

3割特例は個人事業者のための経過措置で、令和9年分・令和10年分に使えます。確定申告書にその旨を付記する必要があり、付記を忘れると適用されません。

国税庁が示す主な適用要件は次の3つです。

  • 個人事業者であること
  • 基準期間の課税売上高が1,000万円以下であること(基準期間は適用を受ける年の2年前。令和9年分なら令和7年、令和10年分なら令和8年)
  • インボイス発行事業者の登録を受けていること

同じ特集の適用可否フローチャートには、これに加えて特定期間(前年1月〜6月)の課税売上高も1,000万円以下であることが通過条件として書かれています(課税売上高に代えて給与等支払額の合計額で判定することもできる、と記載されています)。2年前だけを見て判断すると、前年前半の分が抜け落ちます。

売上が伸びて2年前の課税売上高が1,000万円を超えた年は、この要件に当たらないことになります。なお、この1,000万円を何で測るかについて、国税庁の通達(消費税法基本通達1-4-5)は、基準期間に免税事業者だった場合はその期間に受け取った金銭等の全額がその基準期間における課税売上高になる、としています。2年前に免税事業者だったかどうかで当てはめる金額が変わることになります。ご自身の金額での当てはめは、税理士または税務署にご確認ください。

令和11年分からの選択

令和11年分からは3割特例が使えず、本則課税か簡易課税で計算します。

  • 簡易課税:基準期間の課税売上高5,000万円以下で、届出をして選ぶ。仕入れの実額は使わず、事業区分ごとのみなし仕入率で計算する。原則2年間は本則課税に戻せない。
  • 本則課税:仕入れ・経費にかかった消費税を実額で差し引く。帳簿と請求書の保存が必要。

なお、2割特例・3割特例を受けた事業者には簡易課税の届出期限の特例があり、実績を見てからあとで簡易課税を選べる場合があります。

まず数字を把握する

年ごとに計算方法が変わるため、どの年にいくらになるかを早めに把握しておくと見通しが立てやすくなります。試算ツールで年ごと・方式ごとの金額を並べて確認し、実際の選択や届出は税理士や税務署にご相談ください。

経営者の疑問と、制度の事実

答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。

経営者個人でやってる。2割特例が終わったあと、来年から先はどう計算していくんだ。

制度の事実個人事業者は令和8年分(2026年)まで2割特例、令和9・10年分は3割特例、令和11年分以降は本則課税か簡易課税で計算します。年ごとに計算方法が変わります。ご自身の年ごとの扱いは税理士や税務署にご確認ください。

経営者3割特例は、登録さえしていれば自動で適用されるのか。

制度の事実3割特例は、要件を満たす個人事業者が令和9・10年分の確定申告で適用します。確定申告書にその旨を付記する必要があり、付記を忘れると適用を受けられません。手続きの詳細は税務署にご確認ください。

経営者令和11年からの本則と簡易、うちはどちらで計算することになる。

制度の事実令和11年分からは本則課税(売上税額から仕入税額を差し引く)か簡易課税(売上税額にみなし仕入率を掛けた分を差し引く)で計算します。簡易課税は基準期間の課税売上高5,000万円以下で届出が必要です。どちらになるかは事業ごとの事情で変わるため、税理士や税務署にご確認ください。

よくある質問

個人事業主が3割特例を使うのに手続きは要りますか?
3割特例は、要件を満たす個人事業者が令和9・10年分の確定申告で適用します。確定申告書にその旨を付記する必要があり、付記を忘れると適用を受けられません。手続きの詳細は税務署にご確認ください。
令和11年分からはどう計算すればよいですか?
本則課税(売上税額−仕入税額)か簡易課税(売上税額×(1−みなし仕入率))で計算します。どちらの税額が小さくなるかは仕入れや事業区分で変わるため、試算のうえ税理士や税務署にご相談ください。

個別の判断について

適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。

出典(一次情報)

法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。

本ページは公表されている制度情報にもとづく解説と試算の補助であり、税務に関する助言ではありません。個別の判断は必ず税理士等の専門家にご確認ください(所轄の税務署でも確認できます)。

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