令和8年度税制改正に対応

公表サイトの一括データは「いつの時点」のものか(全件は前月末時点・差分は過去40日分)

最終確認日: (数値は一次情報で照合)

結論から

国税庁適格請求書発行事業者公表サイトの「公表情報ダウンロード」は、全件データのダウンロードについて「前月末日時点における公表している最新情報をダウンロードすることができます。」と記載しています。作成と公開の周期については、毎月初日(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)に前月末時点の全件データファイルを作成し、原則として作成日の翌日の午前6時以降に公開するとしています。差分データについては、日次の更新情報(新規追加、取消失効など)を日別にダウンロードできるとしたうえで、「なお、過去40日分をダウンロードすることができます。」と記載しています。つまり全件データが示すのは前月末日時点の状況であり、月の途中に生じた登録の取消や失効は、その月の全件データには含まれません。また差分データで遡れるのは40日分までとされています。個々の取引先の確認方法を社内の経理処理にどう組み込むかについては、税理士または税務署にご確認ください。

この記事の要点

  • 取引先の登録状況をまとめて取得する手段は、全件データ・差分データ・Web-APIの3つ。
  • 全件データは「前月末日時点における公表している最新情報」であり、月の途中の変更は含まれない。
  • 全件データの作成は毎月初日(土日・祝日・12月29日から1月3日を除く)で、公開は原則として作成日の翌日の午前6時以降。作成日の翌日が休日なら、その直後の平日になる。
  • 差分データは日次で作成されるが、ダウンロードできるのは過去40日分。
  • 提供できる差分データがない日は、差分データファイルは公開されない。
  • 差分データには「事業者処理区分」があり、01 新規・02 公表内容の変更・03 登録の失効・04 登録の取消・99 削除の5区分。
  • 「99 削除」は差分データにしか作成されず、全件データとWeb-APIには出てこない。
  • 個人のダウンロードファイルに限り、氏名などの項目は空文字になっている(令和4年9月26日から)。
  • 1件ずつの検索・まとめて検索(最大10件)は、公表サイトの画面で行う別の手段。

まとめて取る手段は3つあり、見える「時点」が違う

取引先の登録番号を確かめる手段は、公表サイトの画面で1件ずつ調べるほかに、データをまとめて取得する方法があります。

国税庁の「公表情報ダウンロード」は、まとめて取得する手段を次のように書き分けています。

手段ページの記載
全件データ「前月末日時点における公表している最新情報をダウンロードすることができます。」
差分データ「日次の更新情報(新規追加、取消失効など)を日別にダウンロードすることができます。」
Web-API利用には事前にアプリケーションIDの発行届出が必要とされている

ここで大切なのは、全件データが示すのは「前月末日時点」の状況だと書かれている点です。 取得した日の状況ではありません。

全件データは「作られる日」と「公開される日」が別

作成と公開の周期は、同じページの「ファイル作成周期」に書かれています。原文は次のとおりです。

毎月初日(土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)(以下、「休日」という。)を除く)に前月末時点の全件データファイルを作成し、原則として作成日の翌日の午前6時以降に公開しています。 なお、作成日の翌日が休日に該当する場合は、その直後の平日となります。

読み取れることを整理します。

  • 作成されるのは 毎月初日。ただし土日・祝日・12月29日から1月3日は除かれる
  • 公開されるのは、原則として 作成日の翌日の午前6時以降
  • その翌日も休日なら、その直後の平日になる

つまり「月が替わったのでデータを落とす」という段取りだと、まだ公開されていないことがあります。

差分データで遡れるのは40日分

差分データについては、次のように記載されています。

日次で差分データファイルを作成し、原則として作成日の翌日の午前6時以降に公開しています(休日を除く)。 なお、過去40日分をダウンロードすることができます。 また、提供可能な差分データがない場合は、差分データファイルは公開いたしません。

過去40日分という区切りがあります。40日より前の差分データを取る方法は、このページには書かれていません。

あわせて、提供できる差分データがない日はファイルが公開されないとも書かれています。 日付の数だけファイルが並んでいるとは限らない、ということになります。

差分データには「どうして変わったか」の区分が付く

差分データの中身の定義は、国税庁の「リソース定義書」(1.5版・令和6年5月)に書かれています。 項番9の「事業者処理区分」(リソース名 `process`)には、5つの項目値が定義されています。

項目値名称リソース定義書の説明
01新規適格請求書発行事業者として登録されたことを意味する
02公表内容の変更適格請求書発行事業者に係る公表内容が変更されたことを意味する
03登録の失効適格請求書発行事業者に係る登録の効力が失われたことを意味する
04登録の取消適格請求書発行事業者に係る登録が取消されたことを意味する
99削除登録簿からの削除を意味する

「失効」と「取消」が別の値として定義されていることが分かります。 この2つの違いそのものは「[取引先の登録番号を公表サイトで確認する](/articles/kohyo-site-toroku-bango-kakunin/)」で扱いました。

🔴 99 の削除だけは、出てくるデータが限られています。 リソース定義書は、この項目値について、差分データのダウンロードファイルにのみ作成され、 全件データのダウンロードファイルおよびWeb-API機能の場合は作成されないと記載しています。

登録簿からの削除を意味する。

同じ箇所の注1は差分データのダウンロードファイルを「日次の更新情報の日別ダウンロードファイル」、 注2は全件データのダウンロードファイルを「前月末時点において公表している最新情報(履歴情報含む)のダウンロードファイル」と説明しています。 つまり削除されたという事実は、日次の差分データを取っていなければ見えないことになります。

個人事業者の氏名は、ダウンロードファイルでは空になっている

「公表情報ダウンロード」には、次の記載があります。

全件データ及び差分データについて、氏名等の一部項目について値を削除して提供しています。

リソース定義書の凡例も、同じことを次のように書いています。

なお、個人のダウンロードファイルに限り、「●」のデータ項目は空文字となっております。

リソース定義書の改版履歴では、1.4版(令和4年12月)の変更理由として、 令和4年9月26日から個人のダウンロードファイルについて氏名などの項目の値を削除することとしたためと記載されています。

社名や氏名から登録番号を引く機能は、公表サイトにはありません。 登録番号は請求書等に記載されているものを入力して照合する設計になっています。

ファイルの形と、同じサイトの中の書き方の違い

形式については、次のように記載されています。

ファイル形式は、CSV、XML及びJSON形式の3種類、文字コードは「Unicode(JIS第一~第四水準)」に対応しています。

いっぽう「適格請求書発行事業者公表サイトの運営方針」は、公表サイトで使用できる文字の範囲を「JIS‐X‐0213」とし、 JIS第1水準から第4水準の漢字と非漢字に対応しているとしています。 同じサイトの2つの資料で、言い方が違います。どちらも第1水準から第4水準という範囲は同じことを書いています。

実際にどの手段で取得し、取得した結果を帳簿・請求書等の保存や社内の経理処理にどう組み込むかについては、 税理士または税務署にご確認ください。

経営者の疑問と、制度の事実

答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。

経営者うちは取引先が多い。経理に「公表サイトのデータを月初に落として全部つき合わせておけ」と言ってあるが、それで足りているのか。

制度の事実「公表情報ダウンロード」の記載では、全件データのダウンロードで取得できるのは「前月末日時点における公表している最新情報」です。ファイル作成周期の欄も、毎月初日に前月末時点の全件データファイルを作成し、原則として作成日の翌日の午前6時以降に公開するとしています。したがって月初に取得した全件データが示しているのは、前月末日時点の状況になります。同じページは、日次の更新情報(新規追加、取消失効など)を日別に取得する差分データのダウンロードも提供するとしています。御社の確認の頻度をどう決めるかについては、税理士または税務署にご確認ください。

経営者差分データを毎日落とすのは手間だ。半年分まとめて後から取ればよいのではないか。

制度の事実ファイル作成周期の欄は、差分データファイルについて「なお、過去40日分をダウンロードすることができます。」と記載しています。40日より前の差分データを取得する方法は、このページには記載されていません。また同じ欄は「提供可能な差分データがない場合は、差分データファイルは公開いたしません。」としており、日付の数だけファイルがあるとは限らない書き方になっています。なお全件データのほうは、リソース定義書が「前月末時点において公表している最新情報(履歴情報含む)」と説明しており、履歴情報を含むとされています。どの手段をどう組み合わせるかの判断は、税理士または税務署にご確認ください。

経営者登録番号を1件ずつ画面で調べるのと、データを落とすのとでは、見える中身が違うのか。

制度の事実公表サイトの「ご利用方法」は、画面での検索について、番号入力エリアに登録番号("T"を除く13桁の半角数字)を入力する手順を記載しており、複数の登録番号をまとめて検索する場合は最大10件までとしています。いっぽう「公表情報ダウンロード」が提供する全件データは、前月末日時点における公表している最新情報であると記載されています。取得する時点が同じものとして書かれていないという違いがあります。どちらの手段で確認した結果を帳簿や請求書等の保存にどう反映するかについては、税理士または税務署にご確認ください。

よくある質問

月初に全件データを取れば、その日の最新の状況が分かりますか。
「公表情報ダウンロード」の全件データのダウンロードの欄は「前月末日時点における公表している最新情報をダウンロードすることができます。」と記載しています。ファイル作成周期の欄も、毎月初日に前月末時点の全件データファイルを作成するとしています。したがって全件データが示しているのは前月末日時点の状況であり、取得した日の状況ではありません。月の途中に生じた登録の取消や失効をどう扱うかについては、税理士または税務署にご確認ください。
全件データは月初の何時から取れるのですか。
ファイル作成周期の欄は、全件データファイルについて「毎月初日(土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)(以下、「休日」という。)を除く)に前月末時点の全件データファイルを作成し、原則として作成日の翌日の午前6時以降に公開しています。」と記載し、続けて「なお、作成日の翌日が休日に該当する場合は、その直後の平日となります。」としています。作成される日と公開される日が別の日であることが書かれています。
差分データは、いつまで遡れますか。
ファイル作成周期の欄は、差分データファイルについて「日次で差分データファイルを作成し、原則として作成日の翌日の午前6時以降に公開しています(休日を除く)。」としたうえで、「なお、過去40日分をダウンロードすることができます。」と記載しています。あわせて「また、提供可能な差分データがない場合は、差分データファイルは公開いたしません。」としています。40日より前の差分データを取得する方法は、このページには記載されていません。
差分データを見れば、取引先の登録が取り消されたのか、自分でやめたのかが分かりますか。
リソース定義書は、項番9「事業者処理区分」(リソース名 process)の項目値として、01 新規、02 公表内容の変更、03 登録の失効、04 登録の取消、99 削除の5つを定義しています。03 については「適格請求書発行事業者に係る登録の効力が失われたことを意味する。」、04 については「適格請求書発行事業者に係る登録が取消されたことを意味する。」と記載しています。この区分がどちらであるかをもって取引先の事情を判断できるかどうかは、税理士または税務署にご確認ください。
「99 削除」という区分は、どのデータに出てくるのですか。
リソース定義書は、99 削除について「登録簿からの削除を意味する。」としたうえで、この項目値は差分データのダウンロードファイルにのみ作成され、全件データのダウンロードファイルおよびWeb-API機能の場合は作成されないと記載しています。注1は差分データのダウンロードファイルを「日次の更新情報の日別ダウンロードファイル」、注2は全件データのダウンロードファイルを「前月末時点において公表している最新情報(履歴情報含む)のダウンロードファイル」と説明しています。したがって、登録簿から削除されたという事実は、日次の差分データを取得していなければ見えないことになります。
一括データで取引先の名前を突き合わせることはできますか。
「公表情報ダウンロード」は「全件データ及び差分データについて、氏名等の一部項目について値を削除して提供しています。」と記載しています。リソース定義書の凡例も「なお、個人のダウンロードファイルに限り、「●」のデータ項目は空文字となっております。」としており、改版履歴の1.4版(令和4年12月)には、この変更の理由として令和4年9月26日から個人のダウンロードファイルについて氏名などの項目の値を削除することとしたためと記載されています。社名や氏名から登録番号を調べる機能は、公表サイトにはありません。
ファイルの形式と文字コードはどうなっていますか。
「公表情報ダウンロード」は「ファイル形式は、CSV、XML及びJSON形式の3種類、文字コードは「Unicode(JIS第一~第四水準)」に対応しています。」と記載しています。いっぽう「適格請求書発行事業者公表サイトの運営方針」は、公表サイトで使用できる文字の範囲を「JIS‐X‐0213」とし、JIS第1水準から第4水準の漢字と非漢字に対応しているとしています。実際の取り込み方法については、公表サイトの記載をご確認ください。

個別の判断について

適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。

出典(一次情報)

法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。

本ページは公表されている制度情報にもとづく解説と試算の補助であり、税務に関する助言ではありません。個別の判断は必ず税理士等の専門家にご確認ください(所轄の税務署でも確認できます)。

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