令和8年度税制改正に対応

適格請求書発行事業者登録簿に載る事項は、政令が4つ定めています(消費税法施行令70条の5第1項・第2項)

最終確認日: (数値は一次情報で照合)

結論から

インボイスの登録は、適格請求書発行事業者登録簿に一定の事項を登載してされます。消費税法57条の2第4項が「氏名又は名称、登録番号その他の政令で定める事項を登載してするものとする」と定め、その「政令で定める事項」を受けているのが消費税法施行令70条の5第1項です。同項が掲げる事項は4つで、1号が氏名または名称および登録番号、2号が登録年月日、3号が法人(人格のない社団等を除く)の本店または主たる事務所の所在地、4号が特定国外事業者以外の国外事業者の国内の事務所等の所在地です。所在地が挙げられているのは3号の法人と4号の国外事業者だけで、個人事業者の住所はこの4つに列挙されていません。また同条2項は、公表の方法を「インターネットを利用して、利用者が容易に検索することができるように体系的に構成された情報を提供する方法」と定めており、この第2項ひとつで消費税法57条の2第4項・第9項・第11項と57条の3第5項の公表をまとめて受けています。なお国税庁の公表サイトでは、個人事業者や人格のない社団等が主たる屋号や主たる事務所の所在地等を公表することもでき、その場合は「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出することとされています。自社の登録内容や公表の範囲については、税理士または税務署にご確認ください。

この記事の要点

  • 消費税法57条の2第4項は、登録は「適格請求書発行事業者登録簿に氏名又は名称、登録番号その他の政令で定める事項を登載してするものとする」と定めている。その政令が消費税法施行令70条の5である。
  • 同令70条の5第1項が掲げる事項は4つである。1号が氏名または名称および登録番号、2号が登録年月日、3号が法人(人格のない社団等を除く)の本店または主たる事務所の所在地、4号が特定国外事業者以外の国外事業者の国内の事務所等の所在地である。
  • 所在地が挙げられているのは3号(法人)と4号(国外事業者)だけである。個人事業者の住所は、この4つの中に列挙されていない。
  • 同令70条の5第2項は、公表の方法を「インターネットを利用して、利用者が容易に検索することができるように体系的に構成された情報を提供する方法」と定めている。
  • 同項は、消費税法57条の2第4項(登録したとき)・第9項(変更したとき)・第11項(取り消された・失効したとき)と、57条の3第5項(相続で効力を失ったとき)を、まとめて名指ししている。公表の方法を定める規定は1つである。
  • 国税庁の公表サイトの案内によると、個人事業者や人格のない社団等は、上記のほかに主たる屋号や主たる事務所の所在地等を公表することができ、希望する場合は「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出することとされている。
  • 登録簿への登載事項(施行令70条の5第1項の4つ)と、公表サイトで実際に表示される事項は、範囲が同じではない。公表サイトの案内には登録取消年月日・登録失効年月日も公表事項として挙げられている。

「登録簿」と「公表サイト」は、別のものです

インボイスの登録をすると、番号がインターネットで公表されます。このとき、多くの経営者の方が気にされるのが「どこまで載るのか」です。

条文を読むうえで先に分けておきたいのが、次の2つです。

何か根拠
適格請求書発行事業者登録簿税務署長が登載する帳簿消費税法57条の2第4項
公表その登載事項をインターネットで出すこと消費税法施行令70条の5第2項

登録という行為そのものが、登録簿への登載によってされます。消費税法57条の2第3項は、税務署長は申請書の提出を受けたら遅滞なく審査し、5項により拒否する場合を除き登録をしなければならないと定めており、続く4項が、その登録は登録簿に登載してするものだと書いています。

4 第一項の登録は、適格請求書発行事業者登録簿に氏名又は名称、登録番号その他の政令で定める事項を登載してするものとする。この場合において、税務署長は、政令で定めるところにより、当該適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項を速やかに公表しなければならない。

(e-Gov 法令検索・消費税法・令和8年10月1日施行版。2026年9月14日に取得)

ここで「その他の政令で定める事項」と書かれています。この政令が、消費税法施行令70条の5です。

政令が掲げる事項は、4つです

条文の全文です。

(適格請求書発行事業者登録簿の登載事項等) 第七十条の五 法第五十七条の二第四項に規定する政令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 氏名又は名称及び登録番号 二 登録年月日 三 法人(人格のない社団等を除く。)にあつては、本店又は主たる事務所の所在地 四 法第五十七条の二第五項第一号に規定する特定国外事業者以外の国外事業者にあつては、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地

(e-Gov 法令検索・消費税法施行令・令和8年9月1日施行版。2026年9月14日に取得)

掲げられているのは 4つです。表にすると、誰について何が載るのかがはっきりします。

号登載事項誰について
1号氏名又は名称及び登録番号全員
2号登録年月日全員
3号本店又は主たる事務所の所在地法人(人格のない社団等を除く)
4号国内で行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地特定国外事業者以外の国外事業者

所在地が挙がっているのは、法人と国外事業者だけです

4つを並べると、見落としやすい点が1つあります。

所在地が挙げられているのは、3号の法人と、4号の国外事業者だけです。個人事業者の住所は、この4つの中に列挙されていません。

3号はわざわざ「法人(人格のない社団等を除く。)にあつては」と主語を限定しており、4号も「特定国外事業者以外の国外事業者にあつては」と限定しています。1号と2号には、このような限定が付いていません。

では、個人事業者の屋号や所在地はどう扱われるのか。これは登録簿の登載事項とは別の系統の話で、国税庁の公表サイトの案内に書かれています。

個人事業者や人格のない社団等の方は、上記の情報以外に、主たる屋号や主たる事務所の所在地等を公表することができます。  主たる屋号や主たる事務所の所在地等の公表を希望される場合は、「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出してください。

(国税庁 適格請求書発行事業者公表サイト「登録番号に関する情報」。2026年9月14日に取得・原文ママ)

「公表することができます」「希望される場合は」という書き方です。自動的に出るものとして書かれてはいません。ご自身の登録でどこまで公表されるかについては、税務署にご確認ください。

公表の方法を定めている条文は、1つです

同じ70条の5の2項が、公表の方法を定めています。

2 法第五十七条の二第四項、第九項若しくは第十一項又は第五十七条の三第五項の規定による公表は、インターネットを利用して、利用者が容易に検索することができるように体系的に構成された情報を提供する方法により行うものとする。

(e-Gov 法令検索・消費税法施行令・令和8年9月1日施行版。2026年9月14日に取得)

注目したいのは、書き出しで4つの条項をまとめて名指ししていることです。

名指しされている条項どの場面の公表か
消費税法57条の2第4項登録したとき
同第9項登載事項が変わったとき
同第11項登録が取り消された・効力を失ったとき
消費税法57条の3第5項相続により登録が効力を失ったとき

つまり、場面ごとに公表の方法が分かれているのではなく、方法を定める規定は1つです。どの場面でも「インターネットを利用して、利用者が容易に検索することができるように体系的に構成された情報を提供する方法」によることになります。

登録簿の登載事項と、公表サイトに出る事項は、範囲が同じではありません

ここまでが条文の話です。実際に公表サイトで何が見えるかは、範囲が少し広くなります。

国税庁の公表サイト「登録番号に関する情報」は、公表される情報として次を挙げています。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称 登録番号 登録年月日、登録取消年月日、登録失効年月日 法人(人格のない社団等を除きます。)については、本店又は主たる事務所の所在地 特定国外事業者(中略)以外の国外事業者については、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所、その他これらに準ずるものの所在地

(国税庁 適格請求書発行事業者公表サイト「登録番号に関する情報」。2026年9月14日に取得・原文ママ)

施行令70条の5第1項の4つと見比べると、登録取消年月日・登録失効年月日が加わっています。これは登録簿の登載事項としてではなく、消費税法57条の2第11項が別に定めているものです。

11 税務署長は、第六項の規定による登録の取消しを行つたとき、又は前項の規定により第一項の登録がその効力を失つたときは、当該登録を抹消しなければならない。この場合において、税務署長は、政令で定めるところにより、当該登録が取り消された又はその効力を失つた旨及びその年月日を速やかに公表しなければならない。

(e-Gov 法令検索・消費税法・令和8年10月1日施行版。2026年9月14日に取得)

取消しと失効がどう違うか、公表サイトの画面でどう見えるかは、[取引先の登録番号を公表サイトで確認する(「取消年月日」と「失効年月日」は別のものです)](/articles/kohyo-site-toroku-bango-kakunin/) にまとめています。

この記事のまとめ

  • 登録は、適格請求書発行事業者登録簿に登載してする(消費税法57条の2第4項)。
  • 登載する事項を定める政令は消費税法施行令70条の5で、1項が掲げる事項は 4つである。
  • 所在地が挙げられているのは 3号の法人と 4号の国外事業者だけで、個人事業者の住所は列挙されていない。
  • 公表の方法を定めるのは同条2項の1つだけで、消費税法57条の2第4項・第9項・第11項と57条の3第5項をまとめて受けている。
  • 公表サイトには、施行令70条の5第1項の4つに加えて登録取消年月日・登録失効年月日も公表事項として挙げられている(消費税法57条の2第11項)。

自社の登録でどの事項が登載され、どこまで公表されるかの当てはめについては、税理士または税務署にご確認ください。

経営者の疑問と、制度の事実

答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。

経営者インボイスの登録をすると、うちの会社の住所はどこまで表に出るんだ。取引先以外にも見られるのか。

制度の事実消費税法施行令70条の5第1項3号は、登録簿の登載事項として「法人(人格のない社団等を除く。)にあつては、本店又は主たる事務所の所在地」を掲げています。法人については、本店または主たる事務所の所在地が登載事項に含まれる書き方です。そして同条2項は、公表の方法を「インターネットを利用して、利用者が容易に検索することができるように体系的に構成された情報を提供する方法」と定めています。誰でも閲覧できる形での公表を前提とした規定です。自社の登録内容が実際にどう表示されるかについては、税理士または税務署にご確認ください。

経営者私は個人でやっている。自宅が事務所なんだが、自宅の住所まで載ってしまうのか。

制度の事実消費税法施行令70条の5第1項が掲げる事項は4つで、所在地が挙げられているのは3号の法人と、4号の特定国外事業者以外の国外事業者です。個人事業者の住所は、この4つの中に列挙されていません。一方、国税庁の公表サイト「登録番号に関する情報」には「個人事業者や人格のない社団等の方は、上記の情報以外に、主たる屋号や主たる事務所の所在地等を公表することができます」「主たる屋号や主たる事務所の所在地等の公表を希望される場合は、『適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書』を提出してください」と記載されています。ご自身の場合にどこまで公表されるかは、税務署にご確認ください。

経営者取引先の登録番号が今も生きているかを調べたい。取り消された日も条文で公表することになっているのか。

制度の事実消費税法57条の2第11項は、税務署長は6項の規定による登録の取消しを行ったとき、または10項により登録がその効力を失ったときは登録を抹消しなければならないとしたうえで、「当該登録が取り消された又はその効力を失つた旨及びその年月日を速やかに公表しなければならない」と定めています。この公表の方法も、消費税法施行令70条の5第2項が受けています。実際の公表サイトの画面での確認方法は、別の記事にまとめています。

よくある質問

登録簿に載る事項は、いくつですか。
消費税法施行令70条の5第1項は「法第五十七条の二第四項に規定する政令で定める事項は、次に掲げる事項とする」として、1号から4号までを掲げています。1号が氏名又は名称及び登録番号、2号が登録年月日、3号が法人(人格のない社団等を除く。)にあつては本店又は主たる事務所の所在地、4号が特定国外事業者以外の国外事業者にあつては国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地です。掲げられている事項は4つです。
個人事業主が登録すると、自宅の住所が登録簿に載るのですか。
消費税法施行令70条の5第1項が掲げる4つの事項のうち、所在地が挙げられているのは3号の法人(人格のない社団等を除く)と、4号の特定国外事業者以外の国外事業者だけです。個人事業者の住所は、この4つの中に列挙されていません。なお国税庁の公表サイトの案内によると、個人事業者や人格のない社団等は主たる屋号や主たる事務所の所在地等を公表することが「できる」とされ、希望する場合に申出書を提出する取扱いです。ご自身の場合の取扱いは、税務署にご確認ください。
公表は、どのような方法で行われると条文に書かれていますか。
消費税法施行令70条の5第2項は「インターネットを利用して、利用者が容易に検索することができるように体系的に構成された情報を提供する方法により行うものとする」と定めています。公表の方法を定めている規定は、この第2項の1つだけです。
登録したときの公表と、取り消されたときの公表で、方法は違うのですか。
消費税法施行令70条の5第2項は「法第五十七条の二第四項、第九項若しくは第十一項又は第五十七条の三第五項の規定による公表は」と書き出しており、登録したとき(57条の2第4項)、変更したとき(同9項)、取り消された・効力を失ったとき(同11項)、相続により効力を失ったとき(57条の3第5項)を、まとめて名指ししています。方法を定める規定は1つです。
登録簿に載る事項と、公表サイトに出る事項は同じものですか。
同じ範囲ではありません。国税庁の公表サイト「登録番号に関する情報」は、公表される情報として、適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号、登録年月日、登録取消年月日・登録失効年月日、法人(人格のない社団等を除きます。)については本店又は主たる事務所の所在地、特定国外事業者以外の国外事業者については国内の事務所等の所在地を挙げています。登録取消年月日・登録失効年月日は、消費税法57条の2第11項が「その旨及びその年月日を速やかに公表しなければならない」と定めているものです。公表サイトでの見え方は、別の記事にまとめています。
施行令は改正が続いていますが、この条文は変わりましたか。
消費税法施行令70条の5については、令和8年9月1日施行版と令和8年10月1日施行版の本文を当サイトで取得して照合したところ、1項の4つの号、2項の公表の方法、3項の「翌課税期間の初日から起算して十五日前の日」のいずれも同じ文言でした(2026年9月14日確認)。制度は改正されることがありますので、実際の手続の際は国税庁の最新の案内をご確認ください。

個別の判断について

適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。

出典(一次情報)

法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。

本ページは公表されている制度情報にもとづく解説と試算の補助であり、税務に関する助言ではありません。個別の判断は必ず税理士等の専門家にご確認ください(所轄の税務署でも確認できます)。

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