令和8年度税制改正に対応

取引先の登録番号を公表サイトで確認する(「取消年月日」と「失効年月日」は別のものです)

最終確認日: (数値は一次情報で照合)

結論から

国税庁「適格請求書発行事業者公表サイトの運営方針」は、公表サイトの目的について、受領した請求書等に記載されている番号が「登録番号」として取引時点において有効なものか(適格請求書発行事業者が取消等を受けていないか)を確認することができるものと記載しています。検索は登録番号(Tを除く13桁の半角数字)を入力して行い、複数の登録番号をまとめて検索する場合は最大10件までとされています。公表事項には登録年月日のほか「取消年月日」と「失効年月日」が含まれますが、この2つは根拠となる条文が異なり、取消は税務署長が消費税法第57条の2第6項により登録を取り消す場合、失効は事業者が届出書を提出した場合などに該当します。また運営方針は、登録の取消や失効があった場合でも取消・失効後7年間は公表サイトに掲載し、7年経過後に削除すると記載しています。個々の取引先の状況をどう扱うかについては、税理士または税務署にご確認ください。

この記事の要点

  • 公表サイトの検索は登録番号(Tを除く13桁の半角数字)で行う。氏名・名称・屋号・住所からは検索できない。
  • まとめて検索する場合は最大10件まで。
  • 公表事項は、氏名または名称・登録番号・登録年月日・取消年月日・失効年月日・法人の本店等の所在地など。
  • 個人事業者の屋号と主たる事務所の所在地等は、申出書を提出した場合にのみ公表される。提出していなければ公表されるのは氏名。
  • 「取消年月日」と「失効年月日」は別の欄で、根拠条文が違う。自らの意思で登録をやめる届出書を出した場合は失効に当たる。
  • 取消の事由には「1年以上所在不明であること」「事業を廃止したと認められること」なども含まれる。
  • 登録の取消や失効があっても、取消・失効後7年間は公表サイトに掲載され、7年経過後に削除される。過去の取引時点の状況を確認できるようにするためと記載されている。
  • 登録の取消しを求める旨の届出書の提出期限は「登録の取消しを求める課税期間の初日から起算して15日前の日まで」。暦年を課税期間とする個人事業者が翌年1月1日から外れる場合は12月17日にあたる。

公表サイトは「取引の時点で有効だったか」を見るための道具

取引先から届いた請求書に、T から始まる番号が書かれている。この番号が本物かどうかを確かめる場所が、国税庁適格請求書発行事業者公表サイトです。

国税庁「適格請求書発行事業者公表サイトの運営方針」の書き出しは、次のとおりです。

適格請求書発行事業者公表サイト(以下「公表サイト」といいます。)は、消費税法第57条の2に基づき、適格請求書発行事業者の登録・取消・失効状況を公表するものです。 当サイトでは、受領した請求書等に記載されている番号が、「登録番号」として取引時点において有効なものか(適格請求書発行事業者が取消等を受けていないか)を確認することができます。

「取引時点において有効なものか」 と書かれています。今この瞬間の状態を見るためだけの道具ではない、という点が、後で出てくる公表期間7年の話につながります。

検索できるのは登録番号だけ

まず、実際の使い方です。公表サイト「ご利用方法」の記載は次のとおりです。

登録番号("T"を除く13桁の半角数字)を入力します。登録番号の入力が完了したら、「検索」ボタンを押下します。

入力するのは 登録番号 です。会社名や屋号、住所から探す機能は記載されていません。手元の請求書に書かれた番号を写して入力する、という手順になります。

できること記載されている内容
1件ずつ検索登録番号(T を除く13桁の半角数字)を入力
まとめて検索最大10件まで
結果の確認検索結果一覧の「詳細等」リンクから公表情報詳細へ
該当が無いとき「検索対象の登録番号は存在しません。内容をお確かめのうえ、入力してください。」と表示

件数が多い場合については、同サイトが公表情報ダウンロード機能と Web-API 機能を提供しています。運営方針によれば、ダウンロード機能で提供されるのは 前月末時点 の全件データファイルと、日次 の差分データファイルです。Web-API 機能の利用には、事前に公表サイト上で ID の発行届出を行い、国税庁が払い出した ID が必要と記載されています。形式は CSV・XML・JSON に対応しているとされています。

公表されるもの、されないもの

「登録番号に関する情報」に記載されている公表事項は、次のとおりです。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称 登録番号 登録年月日 登録取消年月日、登録失効年月日 法人(人格のない社団等を除きます。)については、本店又は主たる事務所の所在地 特定国外事業者(国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所、その他これらに準ずるものを国内に有しない国外事業者)以外の国外事業者については、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所、その他これらに準ずるものの所在地

続けて、次のように記載されています。

個人事業者や人格のない社団等の方は、上記の情報以外に、主たる屋号や主たる事務所の所在地等を公表することができます。主たる屋号や主たる事務所の所在地等の公表を希望される場合は、「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出してください。
公表事項誰の分か出方
氏名または名称・登録番号・登録年月日・取消年月日・失効年月日全員公表される
本店または主たる事務所の所在地法人(人格のない社団等を除く)公表される
主たる屋号個人事業者申出書を提出した場合
主たる事務所の所在地等個人事業者・人格のない社団等申出書を提出した場合

つまり、屋号は自動では出ません。個人事業者が申出書を提出していなければ、公表されるのは氏名です。運営方針の注1 は、氏名について「適格請求書発行事業者の氏名のほか、事業者の選択により、住民票に記載されている外国人住民の通称又は旧姓氏名を公表します(戸籍上の氏名と併記することも選択できます)」としています。

取引先を「いつも使っている屋号」で照合しようとすると、一致しないことがある、ということになります。

「取消年月日」と「失効年月日」は別の欄

公表サイトには、日付の欄が2つあります。運営方針は、この2つを別の項目として説明しています。

取消(運営方針 4(1))

適格請求書発行事業者が次の事実に該当すると税務署長が認める場合には、当該適格請求書発行事業者の登録を取り消すこととなります。

特定国外事業者以外の事業者について挙げられている事実は、次の6つです。

  • 1年以上所在不明であること
  • 事業を廃止したと認められること
  • 法人において合併により消滅したと認められること
  • 納税管理人を定める必要がある事業者が納税管理人の届出を行っていないこと
  • 消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられたこと
  • 虚偽の内容を記載した適格請求書発行事業者の登録申請書を提出して登録を受けたこと

所在不明や事業の廃止も並んでいます。取消年月日が入っているという事実だけから、その事業者に何があったのかを読み取ることはできません。

失効(運営方針 4(2))

適格請求書発行事業者が次の事実に該当する旨の届出書を税務署に提出した場合には、当該適格請求書発行事業者の登録の効力は失われます。 ・登録の取消を求める場合 ・事業を廃止した場合 ・法人において合併により消滅した場合 ・個人事業者において死亡した場合 (注) 届出書の提出がない場合でも、死亡した日の翌日から4か月を経過した日に失効します。

ここで注意したいのが1つ目です。自らの意思で登録をやめる場合に提出する書類の名称は「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」ですが、運営方針の分類では、これは 失効 の側に置かれています。

運営方針での位置づけきっかけ
取消4(1) 登録の取消税務署長が事実に該当すると認める場合
失効4(2) 登録の失効事業者が該当する旨の届出書を提出した場合など

書類の名前に「取消し」という語が入っているために、日付がどちらの欄に入るのかを取り違えやすいところです。運営方針 4 は、公表情報の更新について「登録の取消(消費税法第57条の2⑥)又は登録の失効(消費税法第57の2⑩、57の3)の規定に該当した場合に公表情報の更新を行います」としており、根拠となる条文もそれぞれ別に挙げられています。

登録をやめても、7年間は公表サイトに残る

運営方針の「5 公表期間」は次のとおりです。

公表サイトでは、過去に行われた取引についても取引時点での取引先の登録状況を確認できるよう、登録の取消や失効があった場合でも、取消・失効後7年間は、適格請求書発行事業者情報と取消・失効年月日を公表サイトに掲載し、7年経過後に公表サイトから削除します。
期間公表サイトでの扱い
取消・失効から 7年間適格請求書発行事業者情報と取消・失効年月日を掲載
7年経過後公表サイトから削除

理由も明記されています。過去に行われた取引についても取引時点での取引先の登録状況を確認できるよう、と書かれています。つまり「今調べたら出てこなかった」は「そのときも登録が無かった」を意味しません。7年より前の取消・失効であれば、削除されている場合があります。

なお運営方針 6(2)(3) は、Web-API 機能とデータダウンロード機能で取得できる情報について「登録年月日、失効年月日、取消年月日の履歴を含む」と記載しています。

登録をやめる側から見た期限

自社が登録をやめる場合の期限にも触れておきます。No.6629 の一覧では、適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書の提出期限等は次のとおりです。

登録の取消しを求める課税期間の初日から起算して15日前の日まで(注2)(注15)

消費税法施行令第70条の5第3項は、この日について「同号の届出書の提出があつた日の属する課税期間の翌課税期間の初日から起算して十五日前の日」と定めています。

暦年を課税期間とする個人事業者の場合、翌課税期間の初日は1月1日です。そこから起算して15日前の日は 12月17日 にあたります。

提出の時期登録の効力
12月17日まで翌年1月1日に失効
12月18日以後失効するのはさらに翌年の1月1日(1年分ずれる)

この届出書には注2 が付いています。

(注2)提出期限等が課税期間の初日の前日等までとされている届出書については、該当日が日曜日等の国民の休日等に当たる場合であっても、その日までに提出がなければそれぞれの規定の適用を受けることができませんのでご注意ください。 ただし、これらの届出書が郵便または信書便により提出された場合には、その郵便物または信書便物の通信日付印により表示された日に提出されたものとみなされます。

期限の日が休日等に当たっても延びるとは記載されていない一方で、郵便または信書便で提出した場合は通信日付印により表示された日に提出したものとみなされる、というただし書きが続いています。

届出書の種類ごとの期限の型については「[消費税の届出書は何種類あるか](/articles/shohizei-todokedesho-ichiran/)」で整理しています。自社の課税期間と提出の時期のあてはめは、税理士または税務署にご確認ください。

一括データで名寄せはできない

最後に、公表情報の一括取得についてです。運営方針 3 は、公表サイトで使用できる文字の範囲を「JIS‐X‐0213」とし、表示できない字体については表示可能な字体に置き換えて表記すると記載しています。

また運営方針 6 は、Web-API 機能とデータダウンロード機能が CSV 形式・XML 形式・JSON 形式に対応するとしています。ダウンロードファイルについては、公表サイト「ご利用方法」が「ダウンロードファイルには、ダウンロードファイルのほかに署名ファイルが格納されています。(注)署名ファイルについては、OpenPGPにより付与したデジタル署名を検証する場合に利用するもので、検証が不要であれば利用の必要はありません。」と記載しています。

システムで公表情報を扱う場合の仕様と、Web-API 機能を利用するための ID の発行届出については、公表サイトの記載をご確認ください。取引先の確認方法を社内の経理処理にどう組み込むかについては、税理士または税務署にご相談ください。

経営者の疑問と、制度の事実

答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。

経営者取引先から届いた請求書に番号が書いてある。これが本物かどうか、社名で調べればよいのか。

制度の事実公表サイト「ご利用方法」に記載されている検索の手順は、番号入力エリアに「登録番号("T"を除く13桁の半角数字)」を入力するというものです。氏名・名称からの検索機能は記載されていません。入力した登録番号に対応する情報がある場合は検索結果一覧の画面へ遷移し、「詳細等」のリンクから公表情報詳細へ進むと記載されています。入力した登録番号に対応する情報が存在しない場合は「検索対象の登録番号は存在しません。内容をお確かめのうえ、入力してください。」というメッセージが表示されるとされています。検索結果を御社の帳簿・請求書等の保存にどう反映するかについては、税理士または税務署にご確認ください。

経営者去年の取引を今から確認したい。相手はもう登録をやめているようだが、遡って調べられるのか。

制度の事実国税庁「適格請求書発行事業者公表サイトの運営方針」は、公表サイトの目的について、受領した請求書等に記載されている番号が「登録番号」として取引時点において有効なものかを確認することができるものと記載しています。また「5 公表期間」では、登録の取消や失効があった場合でも取消・失効後7年間は適格請求書発行事業者情報と取消・失効年月日を公表サイトに掲載し、7年経過後に公表サイトから削除するとしています。過去に行われた取引についても取引時点での取引先の登録状況を確認できるようにするため、と書かれています。過去の課税仕入れについての具体的な取扱いは、税理士または税務署にご確認ください。

経営者うちも登録をやめようと思っている。年内に届出書を出せば来年から外れるのか。

制度の事実No.6629 の一覧では、適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書の提出期限等は「登録の取消しを求める課税期間の初日から起算して15日前の日まで」とされています。消費税法施行令第70条の5第3項も、届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日から起算して15日前の日と定めています。暦年を課税期間とする個人事業者が令和9年1月1日から登録を外れる場合、この日は令和8年12月17日にあたります。またこの届出書には No.6629 の注2 が付いており、該当日が日曜日等の国民の休日等に当たる場合であっても、その日までに提出がなければその規定の適用を受けることができないと記載されています。同じ注2 は、ただし書きで、これらの届出書が郵便または信書便により提出された場合には、その郵便物または信書便物の通信日付印により表示された日に提出されたものとみなされるとしています。御社の課税期間と提出の時期については、税理士または税務署にご確認ください。

よくある質問

取引先の会社名で検索できますか。
公表サイト「ご利用方法」の検索・閲覧機能の説明では、番号入力エリアについて「登録番号("T"を除く13桁の半角数字)を入力します。」と記載されており、入力するのは登録番号です。氏名・名称・屋号・所在地から検索する機能は記載されていません。登録番号は請求書等に記載されているものを入力して照合する形になっています。取引先の登録番号が分からない場合の対応については、税理士または税務署にご確認ください。
何件までまとめて調べられますか。
公表サイト「ご利用方法」の「2 登録番号をまとめて検索する」では、番号入力エリアについて「登録番号("T"を除く13桁の半角数字)を入力します(最大10件)。」と記載されています。それを超える件数を扱う方法としては、同サイトが公表情報ダウンロード機能とWeb-API機能を提供しています。ダウンロード機能では前月末時点の全件データファイルと、日次の差分データファイルが提供されます。Web-API機能の利用には、事前に公表サイト上でIDの発行届出を行い、国税庁が払い出したIDが必要と記載されています。
公表サイトには何が載っているのですか。
「登録番号に関する情報」は、当サイトで公表される情報として、適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号、登録年月日、登録取消年月日・登録失効年月日、法人(人格のない社団等を除く)については本店または主たる事務所の所在地、特定国外事業者以外の国外事業者については国内において行う資産の譲渡等に係る事務所等の所在地を挙げています。あわせて、個人事業者や人格のない社団等は、上記の情報以外に主たる屋号や主たる事務所の所在地等を公表することができるとし、公表を希望する場合は「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出するよう記載しています。
「取消年月日」と「失効年月日」は何が違うのですか。
運営方針は、登録の取消について「適格請求書発行事業者が次の事実に該当すると税務署長が認める場合には、当該適格請求書発行事業者の登録を取り消すこととなります」とし、登録の失効について「適格請求書発行事業者が次の事実に該当する旨の届出書を税務署に提出した場合には、当該適格請求書発行事業者の登録の効力は失われます」としています。失効に当たる事実として最初に挙げられているのは「登録の取消を求める場合」です。届出書の名称は「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」ですが、運営方針の分類では、この届出書を提出した場合は失効の側に置かれています。個別の事業者について公表されている日付をどう読むかは、税理士または税務署にご確認ください。
「取消年月日」が入っている取引先は、法令違反をしたということですか。
そのようには記載されていません。運営方針が挙げる取消の事由(特定国外事業者以外の事業者)は、1年以上所在不明であること、事業を廃止したと認められること、法人において合併により消滅したと認められること、納税管理人を定める必要がある事業者が納税管理人の届出を行っていないこと、消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられたこと、虚偽の内容を記載した登録申請書を提出して登録を受けたことの6つです。所在不明や事業の廃止も含まれており、公表されている日付だけからその事業者の事情を判断することはできません。取引上の取扱いについては、税理士または税務署にご確認ください。
登録をやめた取引先の情報は、いつまで見られますか。
運営方針の「5 公表期間」は次のように記載しています。「公表サイトでは、過去に行われた取引についても取引時点での取引先の登録状況を確認できるよう、登録の取消や失効があった場合でも、取消・失効後7年間は、適格請求書発行事業者情報と取消・失効年月日を公表サイトに掲載し、7年経過後に公表サイトから削除します。」過去の取引時点の登録状況を確認できるようにするためと書かれています。
個人事業者が亡くなった場合は、どうなりますか。
運営方針は、登録の失効に当たる事実の1つとして「個人事業者において死亡した場合」を挙げ、注で「届出書の提出がない場合でも、死亡した日の翌日から4か月を経過した日に失効します。」と記載しています。また No.6629 の一覧では、適格請求書発行事業者の死亡届出書について、届出が必要な場合を「適格請求書発行事業者である個人事業者が死亡したとき」、提出期限等を「事由が生じた場合速やかに」としています。相続があった場合の取扱いは、税理士または税務署にご確認ください。

個別の判断について

適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。

出典(一次情報)

法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。

本ページは公表されている制度情報にもとづく解説と試算の補助であり、税務に関する助言ではありません。個別の判断は必ず税理士等の専門家にご確認ください(所轄の税務署でも確認できます)。

当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、広告を含みます(ページ上部に「PR」と表示しています)。