令和8年度税制改正に対応

消費税の確定申告と納付はいつまでか(個人事業者は翌年3月31日・法人は2か月以内)

最終確認日: (数値は一次情報で照合)

結論から

消費税の確定申告書の提出と納付の期限は、原則として課税期間の終了の日の翌日から2か月以内です。ただし個人事業者の12月31日の属する課税期間については、2月末日ではなく翌年3月31日まで延長されています。所得税の確定申告の期限は原則としてその年の翌年3月15日であり、消費税とは日付が異なります。消費税の確定申告の期限の延長特例の適用を受けている法人は、事業年度終了の日の属する課税期間に係る消費税の確定申告の期限が1か月延長されます。また、期限が日曜日・国民の祝日に関する法律に規定する休日その他一般の休日または政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日が期限とみなされます(国税通則法第10条第2項)。自社の課税期間と期限の当てはめは、税理士または税務署にご確認ください。

この記事の要点

  • 原則の期限は、課税期間の終了の日の翌日から2か月以内。申告書の提出と納付の両方がこの期限。
  • 個人事業者の12月31日の属する課税期間だけは、翌年3月31日まで延長されている。
  • 所得税の確定申告の期限は原則として翌年3月15日で、消費税の3月31日とは16日ずれる。
  • 消費税の確定申告の期限の延長特例の適用を受けている法人は、期限が1か月延長される。
  • 期限が日曜日・休日・政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日が期限になる(国税通則法第10条第2項)。令和8年12月期の法人の原則の期限にあたる2027年2月28日は日曜日。
  • 直前の課税期間の消費税の年税額(地方消費税を含まない)が48万円を超える事業者は、中間申告書の提出が必要になる。

原則は「課税期間が終わった翌日から2か月以内」

消費税の申告と納付の期限は、国税庁のタックスアンサー No.6601 に書かれています。

課税事業者は、課税期間(注1)(課税期間の特例の適用を受けている場合の課税期間を含みます。)ごとにその課税期間の終了の日の翌日から2か月以内に、納税地を所轄する税務署長に消費税の確定申告書を提出するとともに、その税金を納付しなければなりません(注2)。

ここで大事なのは、申告書の提出と納付が同じ期限だという点です。申告だけ先に済ませて納付を後回しにできる制度ではありません。

課税期間そのものは No.6137 が定めています。個人事業者は暦年(1月1日〜12月31日)、法人はその法人の事業年度です。

個人事業者だけ、3月31日に延びている

No.6601 は、原則に続けて例外を1つ挙げています。

ただし、個人事業者の12月31日の属する課税期間の消費税の確定申告と納税の期限は2月末日ではなく、3月31日までに延長されています。

原則どおりなら個人事業者の期限は2月末日ですが、12月31日を含む課税期間については3月31日です。

ここで混同が起きやすいのが所得税との違いです。No.2020 は、所得税の確定申告について「申告等の期限 原則として、その年の翌年3月15日です」と記載しています。

所得税は3月15日、消費税は3月31日。同じ確定申告という言葉でも、16日ずれます。

決算期ごとの期限(2027年に来るもの)

原則の「2か月以内」を、実際の暦に当てはめると次のようになります。

事業者課税期間原則の期限その日の曜日実際の期限
個人事業者令和8年分(2026年1月1日〜12月31日)2027年3月31日水曜日2027年3月31日
12月決算法人令和8年12月期(2026年1月1日〜12月31日)2027年2月28日日曜日2027年3月1日
3月決算法人令和9年3月期(2026年4月1日〜2027年3月31日)2027年5月31日月曜日2027年5月31日

12月決算法人の行だけ、日付が動いています。根拠は国税通則法第10条第2項の条文です。

国税に関する法律に定める申告、申請、請求、届出その他書類の提出、通知、納付又は徴収に関する期限(時をもつて定める期限その他の政令で定める期限を除く。)が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他一般の休日又は政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日をもつてその期限とみなす。

国税庁のインボイス制度に関するQ&A問117-3の注1は、この「政令で定める日」を含めた繰下げの対象として、土曜日と12月29日・30日・31日も挙げています。

期限日は年ごとに暦で確認してください。「12月決算だから2月末日」と固定で覚えていると、年によってずれます。

申告期限の延長特例を受けている法人は1か月延びる

No.6601 は、法人向けの取扱いも記載しています。

また、消費税の確定申告の期限の延長特例の適用を受けている法人は、事業年度終了の日の属する課税期間に係る消費税の確定申告の期限が1か月延長されます。

この延長は、適用を受けている法人についての取扱いです。すべての法人に自動で1か月が付くわけではありません。自社が適用を受けているかどうかは、税理士または税務署にご確認ください。

納付税額がない課税期間の扱い

No.6601 には、申告書を出さなくてよい場合も書かれています。

なお、課税事業者であっても、課税売上げがなく、かつ、納付税額がない課税期間については、確定申告書を提出する必要はありませんが、課税仕入れに対する消費税額や中間納付額があるときは還付申告をすることができます。

条件は「課税取引がなく」と「納付税額がない」の両方です。片方だけでは当てはまりません。

課税期間を短縮している場合の期限

課税期間は、届出により3か月ごとまたは1か月ごとに短縮できます(No.6137)。短縮した場合の期限は No.6601 が区分ごとに示しています。

課税期間の特例個人事業者法人
3か月ごと(1〜3月分)5月31日まで3か月ごとに区分した各期間の末日の翌日から2か月以内
3か月ごと(4〜6月分)8月31日まで同上
3か月ごと(7〜9月分)11月30日まで同上
3か月ごと(10〜12月分)翌年3月31日まで同上
1か月ごと(1月〜11月分)各期間の末日の翌日から2か月以内1か月ごとに区分した各期間の末日の翌日から2か月以内
1か月ごと(12月分)翌年3月31日まで同上

法人の欄には注が付いており、消費税の確定申告の期限の延長特例の適用を受けている法人の、事業年度終了の日の属する課税期間は3か月以内となります。

なお、課税期間の特例を適用している課税期間は、2割特例を使えません。この点は「[2割特例の対象になるのは誰か](/articles/2wari-target/)」で扱っています。

中間申告が必要になる線は「48万円」

No.6609 は、中間申告の対象と回数を次のように定めています。

直前の課税期間の確定消費税額中間申告の回数中間納付税額
48万円以下原則、中間申告不要(任意の中間申告制度あり)—
48万円超400万円以下年1回確定消費税額の12分の6とその78分の22の地方消費税
400万円超4,800万円以下年3回確定消費税額の12分の3とその78分の22の地方消費税
4,800万円超年11回確定消費税額の12分の1とその78分の22の地方消費税

判定に使う年税額に、地方消費税額は含みません。中間申告と納付の期限は、各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2か月以内です。

課税期間の特例制度を適用している事業者は、中間申告書を提出する必要はありません。

また No.6609 は、中間申告書を提出すべき事業者がその中間申告書を提出期限までに提出しない場合、中間申告書の提出があったものとみなされ、直前の課税期間の実績により計算した消費税額が直ちに確定することになると記載しています。

期限に間に合わなかったときに動くもの

No.9205 は、延滞税について次のように記載しています。

税金が定められた期限までに納付されない場合には、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。

割合は年によって変わります。令和8年1月1日から令和8年12月31日までの期間については、次のとおりです。

期間の区分令和8年(2026年)中の割合
納期限までの期間及び納期限の翌日から2か月を経過する日まで年2.8パーセント
納期限の翌日から2か月を経過した日以後年9.1パーセント

延滞税は本税だけを対象として課されるもので、加算税などに対しては課されません。

なお、災害その他やむを得ない理由により期限までに手続ができない場合の期限の延長については、国税通則法第11条に定めがあります。当てはまるかどうかの判断は、税務署にご確認ください。

そのほか、期限が動く場合

No.6601 の注2には、次の2つが挙げられています。

  • 個人事業者が課税期間の中途で死亡した場合、または課税期間終了の日の翌日から確定申告書の提出期限までの間に確定申告書を提出しないまま死亡した場合 → 相続人は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に確定申告書の提出および納付をしなければなりません。
  • 清算中の法人において残余財産が確定した場合 → その確定の日の属する課税期間終了の日の翌日から1か月以内(その1か月以内に残余財産の最後の分配等が行われる場合には、その行われる日の前日まで)に確定申告書の提出および納付をしなければなりません。

また、輸入貨物を引き取るときの消費税については、保税地域を所轄する税関長に輸入(納税)申告書を提出し、課税貨物を保税地域から引き取るときまでに国に納付します。

確認しておきたいこと

  • 自社の課税期間の終了の日はいつか(個人事業者は12月31日、法人は事業年度の末日)
  • そこから数えた期限の日が、日曜日・休日・土曜日・12月29日〜31日に当たっていないか
  • 消費税の確定申告の期限の延長特例の適用を受けているか
  • 直前の課税期間の消費税の年税額(地方消費税を含まない)が48万円を超えているか
  • 課税期間の特例(3か月・1か月)を適用しているか

試算ツールでは、課税期間ごとの納付税額の見当をつけられます。表示されるのは前提を置いた計算結果であり、申告手続そのものではありません。期限と手続の当てはめは、税理士または税務署にご確認ください。

経営者の疑問と、制度の事実

答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。

経営者うちは12月決算の法人だ。消費税も所得税と同じで3月末だと思っていたが、違うのか。

制度の事実違います。No.6601 は、消費税の確定申告書の提出と納付の期限を、原則として課税期間の終了の日の翌日から2か月以内としています。法人の課税期間は事業年度ですので(No.6137)、12月決算法人の令和8年12月期であれば原則の期限は2027年2月28日です。3月31日まで延長されるのは、個人事業者の12月31日の属する課税期間についての取扱いです。なお2027年2月28日は日曜日にあたるため、国税通則法第10条第2項により翌日の2027年3月1日が期限とみなされます。自社の期限日は税理士または税務署にご確認ください。

経営者その2027年2月28日が日曜だという話、毎年そうなるのか。

制度の事実毎年ではありません。国税通則法第10条第2項は、期限が日曜日・国民の祝日に関する法律に規定する休日その他一般の休日または政令で定める日に当たるときに、これらの日の翌日を期限とみなすと定めています。あくまでその年の暦次第です。2027年2月28日は日曜日ですが、たとえば個人事業者の令和8年分の期限である2027年3月31日は水曜日で、繰下げは働きません。年ごとに暦で確認し、判断に迷う場合は税務署にご確認ください。

経営者去年の消費税が60万円だった。今年は途中でも納めることになるのか。

制度の事実No.6609 は、中間申告書の提出が必要な事業者を、直前の課税期間の消費税の年税額が48万円を超える者としています。この年税額に地方消費税額は含みません。直前の課税期間の確定消費税額が48万円超400万円以下の区分では、中間申告の回数は年1回、中間納付税額はその確定消費税額の12分の6とその78分の22の地方消費税とされています。中間申告と納付の期限は、各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2か月以内です。自社の金額の当てはめは、税理士または税務署にご確認ください。

よくある質問

消費税の確定申告の期限は、所得税と同じ3月15日ではないのですか?
同じではありません。国税庁 No.2020 は、所得税の確定申告の期限を原則としてその年の翌年3月15日としています。一方 No.6601 は、消費税について、個人事業者の12月31日の属する課税期間の確定申告と納税の期限は2月末日ではなく3月31日までに延長されていると記載しています。2つの税で期限の日付が異なりますので、自社の申告スケジュールは税理士または税務署にご確認ください。
法人の期限はいつですか。決算期によって変わりますか?
法人の課税期間はその法人の事業年度です(No.6137)。確定申告書の提出と納付の期限は、原則として課税期間の終了の日の翌日から2か月以内です(No.6601)。したがって12月決算法人は翌年2月末日、3月決算法人は同年5月31日が原則の期限になります。なお消費税の確定申告の期限の延長特例の適用を受けている法人は、事業年度終了の日の属する課税期間に係る消費税の確定申告の期限が1か月延長されます。自社が延長特例の適用を受けているかどうかは、税理士または税務署にご確認ください。
納付する税額がない年も、申告書を出さなければなりませんか?
No.6601 は、課税事業者であっても、課税取引がなく、かつ納付税額がない課税期間については確定申告書を提出する必要はないとしています。ただし、課税仕入れに対する消費税額や中間納付額があるときは還付申告をすることができるとも記載されています。自社の課税期間が該当するかどうかの判定は、税理士または税務署にご確認ください。
中間申告は、どのくらいの規模から必要になるのですか?
No.6609 は、中間申告書の提出が必要な事業者を、個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度(直前の課税期間)の消費税の年税額が48万円を超える者としています。この年税額に地方消費税額は含みません。回数は、直前の課税期間の確定消費税額が48万円超400万円以下なら年1回、400万円超4,800万円以下なら年3回、4,800万円超なら年11回です。48万円以下の場合は原則として中間申告は不要ですが、任意の中間申告制度があります。なお課税期間の特例制度を適用している事業者は、中間申告書を提出する必要はありません。自社の回数は税務署にご確認ください。
期限の日が土曜日や日曜日だったときは、どうなりますか?
国税通則法第10条第2項は、国税に関する法律に定める申告・納付等に関する期限が、日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日その他一般の休日または政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日をもってその期限とみなすと定めています。国税庁のインボイス制度に関するQ&A問117-3の注1は、この繰下げの対象として日曜日・国民の祝日に関する法律に規定する休日その他一般の休日・土曜日・12月29日・30日・31日を挙げています。個別の年の期限日は暦で確認し、判断に迷う場合は税務署にご確認ください。

個別の判断について

適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。

出典(一次情報)

法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。

本ページは公表されている制度情報にもとづく解説と試算の補助であり、税務に関する助言ではありません。個別の判断は必ず税理士等の専門家にご確認ください(所轄の税務署でも確認できます)。

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