簡易課税でも、売上税額の積上げ計算は選べます(使えなくなるのは仕入税額の側の3つの方法です)
最終確認日: (数値は一次情報で照合)
消費税法45条5項は、課税標準額に対する消費税額(売上税額)について「当該適格請求書に記載した同条第一項第五号に掲げる消費税額等その他の政令で定める金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額とすることができる」と定めています。これが積上げ計算です。同項が適用できる者として挙げているのは「第一項の規定による申告書を提出する事業者」であって、交付した適格請求書または適格簡易請求書の写しを保存している場合です。簡易課税制度を適用している事業者を除く文言は置かれていません。除かれるのは、同項ただし書と消費税法施行令62条2項が挙げる場合、すなわち消費税法16条1項、17条1項・2項本文、18条1項、28条1項ただし書の規定の適用を受ける課税資産の譲渡等です。いっぽう消費税法37条1項は「第三十条から前条までの規定により課税標準額に対する消費税額から控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額は、これらの規定にかかわらず」と定めており、読み替えているのは控除する側、つまり仕入税額の計算です。そのため簡易課税制度の課税期間では、消費税法施行令46条の3つの方法(請求書等積上げ・帳簿積上げ・総額割戻し)は出てきません。国税庁の法人用「申告書(簡易課税用)の書き方」は、章題を「≪売上税額の計算について、割戻し計算を適用する場合≫」としたうえで、積上げ計算を適用する場合の記載方法の参照先を案内しています。参照先には、簡易課税で売上税額を積上げ計算した記載例が設例5と設例4の2本あります。御社がどちらの方法を採れるか、適格請求書等の写しの保存が要件を満たしているかについては、税理士または税務署にご確認ください。
この記事の要点
- 売上税額の積上げ計算の根拠は消費税法45条5項である。同項は適用できる者を「第一項の規定による申告書を提出する事業者」で適格請求書または適格簡易請求書の写しを保存している場合としており、簡易課税制度を適用している事業者を除く文言は置かれていない(e-Gov 法令検索・令和8年10月1日施行版)。
- 消費税法37条1項が「これらの規定にかかわらず」と読み替えているのは「第三十条から前条までの規定により課税標準額に対する消費税額から控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額」である。読み替えの対象は控除する側=仕入税額であって、売上税額ではない。
- そのため簡易課税制度の課税期間では、仕入税額の3つの方法(消費税法施行令46条の請求書等積上げ・帳簿積上げ・総額割戻し)は出てこない。控除税額はみなし仕入率で計算する。
- 積上げ計算が使えない課税資産の譲渡等は、消費税法45条5項ただし書と消費税法施行令62条2項が挙げている。消費税法16条1項(個人事業者の山林所得又は譲渡所得の基因となる資産の延払条件付譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例)、17条1項・2項本文(工事進行基準)、18条1項(小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期)、28条1項ただし書である。簡易課税制度はこの列挙に入っていない。
- 国税庁の法人用「申告書(簡易課税用)の書き方」は、章題を「≪売上税額の計算について、割戻し計算を適用する場合≫」とし、直下に「※ 売上税額の計算について積上げ計算を適用する場合の申告書の記載方法は、国税庁ホームページに掲載している「インボイス制度に対応した設例別の消費税申告書の計算・記載方法」をご覧ください。」と記載している。
- その参照先には、簡易課税で売上税額を積上げ計算した記載例が2本ある。設例5(令和5年10月1日をまたぐ課税期間・全15ページ)と設例4(令和6年10月1日登録・全15ページ)で、いずれも「⇒ 売上税額は積上げ計算」と明記されている。
- 同じ「書き方」は、付表5-3の「課税標準額に対する消費税額①」欄について「付表4-3の②A欄の金額1,108,848円を記載します」と記載している。付表4-3の②欄は消費税法45条1項2号の消費税額の欄である。
- 当サイトが国税庁の設例集21本のうち2割特例の設例7本(008・009_01・009_02・010・015・019・020)を取得して数えたところ、本文に「積上げ」の語は7本とも0件だった(2026-10-07 実測)。これは2割特例で積上げ計算が使えないという意味ではなく、国税庁が公表している記載例の中に該当するものが無いという観察である。
条文は、売上の側と仕入の側で別に置かれています
簡易課税を選ぶと、「インボイスの積上げ計算はもう関係ない」と説明されることがあります。
関係がなくなるのは、仕入税額の側だけです。
消費税の申告書は、大きく2段で出来ています。
- 売上税額(課税標準額に対する消費税額)を出す
- そこから控除する税額を出す
簡易課税制度が置き換えるのは、2 のほうだけです。
消費税法37条1項が読み替えているのは「控除することができる税額」です
簡易課税制度の条文は、消費税法37条1項です。原文はこうなっています。
第三十条から前条までの規定により課税標準額に対する消費税額から控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額は、これらの規定にかかわらず、次に掲げる金額の合計額とする。
読み替えの対象は「控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額」です。つまり仕入税額です。
そして読み替えの範囲は「第三十条から前条までの規定」、すなわち第30条から第36条までです。
仕入税額の3つの方法(請求書等積上げ・帳簿積上げ・総額割戻し)を定めているのは消費税法施行令46条で、これは消費税法30条1項を受けた政令です。だから簡易課税制度の課税期間には出てきません。この点は [仕入税額の計算には3つの方法があります(併用できる組み合わせと、できない組み合わせ)](/articles/shiire-zeigaku-3houshiki-heiyo/) で整理しています。
売上税額の積上げ計算は、消費税法45条5項にあります
いっぽう、売上税額の積上げ計算の根拠は消費税法45条5項です。
5 第一項の規定による申告書を提出する事業者が、当該申告書に係る課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等につき交付した適格請求書又は適格簡易請求書の写しを第五十七条の四第六項の規定により保存している場合(同項の規定により同項の電磁的記録を保存している場合を含む。)には、当該課税資産の譲渡等に係る第一項第二号に掲げる税率の異なるごとに区分した課税標準額に対する消費税額については、同号の規定にかかわらず、当該適格請求書に記載した同条第一項第五号に掲げる消費税額等その他の政令で定める金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額とすることができる。
45条は、37条1項が読み替える「第30条から第36条まで」の外にあります。
そして、同項が適用できる者として挙げているのは次の2つだけです。
- 第一項の規定による申告書を提出する事業者であること
- 交付した適格請求書または適格簡易請求書の写しを、消費税法57条の4第6項の規定により保存していること
簡易課税制度を適用している事業者を除く、という文言は置かれていません。
除かれているのは、別の4つの規定です
45条5項には、ただし書があります。
ただし、第十六条第一項、第十七条第一項若しくは第二項本文又は第十八条第一項の規定その他政令で定める規定の適用を受ける課税資産の譲渡等については、この限りでない。
「その他政令で定める規定」は、消費税法施行令62条2項が指定しています。
2 法第四十五条第五項ただし書に規定する政令で定める規定は、法第二十八条第一項ただし書の規定とする。
つまり、積上げ計算から外れるのは次の規定の適用を受ける課税資産の譲渡等です。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 消費税法16条1項 | 個人事業者の山林所得又は譲渡所得の基因となる資産の延払条件付譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例 |
| 消費税法17条1項・2項本文 | 工事進行基準 |
| 消費税法18条1項 | 小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期(現金主義) |
| 消費税法28条1項ただし書 | 法人の役員に対する低額譲渡等 |
この列挙に、簡易課税制度は入っていません。
16条1項は、令和7年度税制改正で中身が入れ替わっています
ここは古い解説と食い違う箇所です。条番号は45条5項ただし書に残っていますが、その条の中身が別のものに替わっています。
| 版 | 消費税法第16条の条名 |
|---|---|
| 令和6年10月1日施行版 | (リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例) |
| 令和8年10月1日施行版 | (個人事業者の山林所得又は譲渡所得の基因となる資産の延払条件付譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例) |
当サイトが2026年10月14日に e-Gov 法令検索で両方の版の原本を取得して数えたところ、令和8年10月1日施行版の本則に「延払基準」という語は0件でした(令和6年10月1日施行版には1件あります)。国税庁の質疑応答事例も「令和7年度税制改正により、リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例(延払基準)が廃止されました」と記載しています。
45条5項ただし書の「第十六条第一項」という引用先そのものは、どちらの版でも同じ文言です。変わったのは、その条番号が指している制度です。
国税庁の「書き方」も、積上げ計算の参照先を案内しています
条文の読み方だけで終わらせず、国税庁の資料の側も確かめます。
国税庁の法人用「消費税及び地方消費税の申告書(簡易課税用)の書き方」は、該当の章の題をこう置いています。
≪売上税額の計算について、割戻し計算を適用する場合≫
題が「割戻し計算を適用する場合」と限定されています。そして、その直下にこう書かれています。
※ 売上税額の計算について積上げ計算を適用する場合の申告書の記載方法は、国税庁ホームページに掲載している「インボイス制度に対応した設例別の消費税申告書の計算・記載方法」をご覧ください。
簡易課税用の「書き方」が、積上げ計算を適用する場合の案内先を持っています。
参照先には、実際の記載例が2本あります
案内されている「インボイス制度に対応した設例別の消費税申告書の計算・記載方法」の中に、簡易課税で売上税額を積上げ計算した記載例が2本あります。
| 設例 | 課税期間 | 冒頭の記載(原文) | ページ数 |
|---|---|---|---|
| 設例5 | 令和5年1月1日〜12月31日 | 「⇒ 売上税額は積上げ計算、仕入税額は簡易課税」 | 15ページ |
| 設例4 | 令和6年1月1日〜12月31日 | 「⇒ 売上税額は積上げ計算」 | 15ページ |
どちらも、課税期間の途中でインボイス発行事業者の登録を受けた例です。登録前の期間は割戻し計算、登録後の期間は積上げ計算で、1つの課税期間の中に2つの方式が並びます。
この2本のうち設例4については、千円未満切捨ての土台が欄ごとに違う点を [登録した年のように2つの方式が混ざる課税期間では、千円未満切捨ての土台が欄ごとに違います(国税庁の設例4)](/articles/warimodoshi-tsumiage-heiyo-hasu/) で扱っています。
みなし仕入率を掛ける金額は、売上税額の欄から来ます
売上税額の計算方法は、控除税額の計算にもつながっています。
消費税法37条1項1号は、控除税額の計算の基礎をこう定めています。
当該事業者の当該課税期間の課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。)に係る課税標準である金額の合計額に対する消費税額から当該課税期間における第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額
申告書の様式の側でも、同じつながりが示されています。法人用「申告書(簡易課税用)の書き方」は、付表5-3の「課税標準額に対する消費税額①」欄についてこう記載しています。
付表4-3の②A欄の金額1,108,848円を記載します。
付表4-3の②欄は、消費税法45条1項2号の「課税標準額に対する消費税額」の欄です。そこに45条5項の積上げ計算の結果が入り、その金額が付表5-3へ転記されます。
2割特例については、記載例が見つかりません
ここは、確かめられた範囲だけを書きます。
当サイトが国税庁の設例集21本のうち2割特例の設例7本(008・009_01・009_02・010・015・019・020)を取得し、本文のテキストを数えました。
7本とも、「積上げ」の語は0件でした(2026-10-07 実測)。
これは、国税庁が公表している記載例の中に、2割特例で売上税額を積上げ計算した例が無いという観察です。 2割特例で積上げ計算が使えないという意味ではありません。当サイトは、その点を一次情報で確認できていないため記載しません。
2割特例を適用する課税期間で売上税額をどう計算するかについては、税理士または税務署にご確認ください。
まとめ
- 売上税額の積上げ計算の根拠は消費税法45条5項で、適用できる者は「第一項の規定による申告書を提出する事業者」で適格請求書等の写しを保存している場合である。簡易課税制度を適用している事業者を除く文言は置かれていない。
- 消費税法37条1項が読み替えているのは「第三十条から前条までの規定により…控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額」=仕入税額である。45条はこの範囲の外にある。
- そのため簡易課税制度の課税期間では、消費税法施行令46条の3つの方法は出てこない。これは仕入税額の側の話である。
- 積上げ計算から外れるのは、消費税法16条1項・17条1項・17条2項本文・18条1項・28条1項ただし書の規定の適用を受ける課税資産の譲渡等である(45条5項ただし書・消費税法施行令62条2項)。
- 国税庁の法人用「申告書(簡易課税用)の書き方」は、章題を「≪売上税額の計算について、割戻し計算を適用する場合≫」とし、積上げ計算を適用する場合の参照先を案内している。
- 参照先には、簡易課税で売上税額を積上げ計算した記載例が設例5と設例4の2本ある(いずれも全15ページ)。
- 当サイトが2割特例の設例7本を数えた結果、本文の「積上げ」は7本とも0件だった(2026-10-07 実測)。「使えない」という意味ではない。
御社がどの方法を採れるか、適格請求書等の写しの保存が消費税法57条の4第6項の要件を満たしているかについては、税理士または税務署にご確認ください。
経営者の疑問と、制度の事実
答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。
経営者うちは簡易課税だ。取引先からインボイスの控えは全部そろえているが、売上の消費税は積上げで出してもいいのか。
制度の事実消費税法45条5項は、適用できる者を「第一項の規定による申告書を提出する事業者」で、交付した適格請求書または適格簡易請求書の写しを消費税法57条の4第6項の規定により保存している場合としています。簡易課税制度を適用している事業者を除く文言は置かれていません。国税庁の法人用「申告書(簡易課税用)の書き方」も、積上げ計算を適用する場合の記載方法の参照先を案内しています。御社の保存の状況が要件を満たしているかどうかの判断は、税理士または税務署にご確認ください。
経営者顧問先から「簡易課税なら積上げは関係ない」と言われたことがある。どちらが正しいのか。
制度の事実条文の上では、関係がなくなるのは仕入税額の側です。消費税法37条1項が「これらの規定にかかわらず」と読み替えているのは「第三十条から前条までの規定により課税標準額に対する消費税額から控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額」であり、消費税法施行令46条の3つの方法は簡易課税制度の課税期間には出てきません。売上税額の積上げ計算の根拠は消費税法45条5項で、37条1項が読み替える第30条から第36条までの範囲の外にあります。個別のご説明の当否については、税理士または税務署にご確認ください。
経営者書き方のパンフレットには割戻し計算しか書いていないように見える。これは積上げが認められていないということではないのか。
制度の事実国税庁の法人用「申告書(簡易課税用)の書き方」は、該当の章題を「≪売上税額の計算について、割戻し計算を適用する場合≫」としており、その直下に「※ 売上税額の計算について積上げ計算を適用する場合の申告書の記載方法は、国税庁ホームページに掲載している「インボイス制度に対応した設例別の消費税申告書の計算・記載方法」をご覧ください。」と記載しています。参照先には、簡易課税で売上税額を積上げ計算した記載例が設例5と設例4の2本あります。御社がどの方法で申告書を作成するかについては、税理士または税務署にご確認ください。
よくある質問
- 簡易課税を選んでいます。売上税額を積上げ計算にしてもよいのですか。
- 消費税法45条5項は「第一項の規定による申告書を提出する事業者が、当該申告書に係る課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等につき交付した適格請求書又は適格簡易請求書の写しを第五十七条の四第六項の規定により保存している場合(同項の規定により同項の電磁的記録を保存している場合を含む。)には、当該課税資産の譲渡等に係る第一項第二号に掲げる税率の異なるごとに区分した課税標準額に対する消費税額については、同号の規定にかかわらず、当該適格請求書に記載した同条第一項第五号に掲げる消費税額等その他の政令で定める金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額とすることができる」と定めています。簡易課税制度を適用している事業者を除く文言は置かれていません。御社が要件を満たすかどうかについては、税理士または税務署にご確認ください。
- 簡易課税では積上げ計算が使えないと聞いたことがあります。
- 使えなくなるのは仕入税額の側です。消費税法37条1項は「第三十条から前条までの規定により課税標準額に対する消費税額から控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額は、これらの規定にかかわらず、次に掲げる金額の合計額とする」と定めています。読み替えの対象は「控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額」であり、仕入税額です。消費税法施行令46条は消費税法30条1項を受けた政令ですので、簡易課税制度の課税期間には同条の3つの方法(請求書等積上げ・帳簿積上げ・総額割戻し)は出てきません。いっぽう売上税額の積上げ計算は消費税法45条5項であり、37条1項が読み替える範囲(第30条から第36条まで)の外にあります。
- 積上げ計算が使えない取引はありますか。
- 消費税法45条5項ただし書は「第十六条第一項、第十七条第一項若しくは第二項本文又は第十八条第一項の規定その他政令で定める規定の適用を受ける課税資産の譲渡等については、この限りでない」と定めています。「その他政令で定める規定」について、消費税法施行令62条2項は「法第四十五条第五項ただし書に規定する政令で定める規定は、法第二十八条第一項ただし書の規定とする」と定めています。簡易課税制度はこの列挙に入っていません。御社の取引が該当するかどうかについては、税理士または税務署にご確認ください。
- 簡易課税で積上げ計算をした場合、申告書の書き方はどこに載っていますか。
- 国税庁の法人用「消費税及び地方消費税の申告書(簡易課税用)の書き方」は、章題を「≪売上税額の計算について、割戻し計算を適用する場合≫」としたうえで、その直下に「※ 売上税額の計算について積上げ計算を適用する場合の申告書の記載方法は、国税庁ホームページに掲載している「インボイス制度に対応した設例別の消費税申告書の計算・記載方法」をご覧ください。」と記載しています。参照先には、簡易課税で売上税額を積上げ計算した記載例が設例5と設例4の2本あります。
- 売上税額の計算方法を変えると、みなし仕入率を掛ける金額も変わりますか。
- 消費税法37条1項1号は、控除税額の計算の基礎を「当該事業者の当該課税期間の課税資産の譲渡等…に係る課税標準である金額の合計額に対する消費税額から当該課税期間における第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額」としています。国税庁の法人用「申告書(簡易課税用)の書き方」は、付表5-3の「課税標準額に対する消費税額①」欄について「付表4-3の②A欄の金額1,108,848円を記載します」と記載しており、付表4-3の②欄は消費税法45条1項2号の消費税額の欄です。具体的な金額の影響については、税理士または税務署にご確認ください。
- 2割特例でも積上げ計算を使えますか。
- 当サイトが国税庁の設例集21本のうち2割特例の設例7本(008・009_01・009_02・010・015・019・020)を取得して数えたところ、本文に「積上げ」の語は7本とも0件でした(2026-10-07 実測)。これは、国税庁が公表している記載例の中に、2割特例で売上税額を積上げ計算した例が無いという観察です。2割特例で積上げ計算が使えるかどうかについて、当サイトは一次情報で確認できていないため記載しません。税理士または税務署にご確認ください。
個別の判断について
適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。
出典(一次情報)
- e-Gov法令検索 消費税法 第45条第5項・第37条第1項(令和8年10月1日施行版・版ID 363AC0000000108_20261001_507AC0000000070)確認日 2026-10-14
- e-Gov法令検索 消費税法 第16条(令和6年10月1日施行版・版ID 363AC0000000108_20241001_506AC0000000008。改正前の条名の確認用)確認日 2026-10-14
- e-Gov法令検索 消費税法施行令 第62条(課税標準額に対する消費税額の算出方法の特例)(令和8年10月1日施行版・版ID 363CO0000000360_20261001_508CO0000000108)確認日 2026-10-07
- 国税庁 法人用「消費税及び地方消費税の申告書(簡易課税用)の書き方」(令和7年10月1日以後に終了する課税期間を対象・全28ページ)確認日 2026-10-07
- 国税庁 インボイス制度に対応した設例別の消費税申告書の計算・記載方法 設例5 簡易課税(令和5年10月1日をまたぐ課税期間用・全15ページ)確認日 2026-10-07
- 国税庁 インボイス制度に対応した設例別の消費税申告書の計算・記載方法 設例4 簡易課税(令和6年10月1日登録・全15ページ)確認日 2026-10-07
- 国税庁 インボイス制度に対応した設例別の消費税申告書の計算・記載方法 設例8(2割特例・令和5年10月1日をまたぐ課税期間用)確認日 2026-10-07
法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。