災害で簡易課税の承認申請をするとき、申請書には「生じた日」と「やんだ日」の両方を書きます(消費税法施行規則17条の2)
最終確認日: (数値は一次情報で照合)
災害等があった場合の簡易課税制度の届出特例(消費税法37条の2)について、承認申請書に記載する事項は、消費税法施行規則17条の2が定めています。同条は、消費税法37条の2第2項(同条7項において準用する場合を含む)に規定する「財務省令で定める事項」を、1号(37条の2第1項の承認を受けようとする事業者=簡易課税の適用を受けることが必要となった側)と2号(37条の2第6項の承認を受けようとする事業者=適用を受けることをやめようとする側)に分けて列挙しています。1号・2号のいずれにも「法第三十七条の二第一項に規定する災害その他やむを得ない理由の生じた日及びそのやんだ日の年月日」が置かれており、書く日付は1つではなく2つです。1号にはさらに「申請者の行う事業の内容及び令第五十七条第五項第一号から第六号までに掲げる事業の種類」(第1種事業から第6種事業の区分)と、適用を受けようとする課税期間の初日の年月日、その基準期間における課税売上高が記載事項として挙げられています。2号には事業の種類が挙げられていません。なお、期限に間に合わなかったときの承認(消費税法施行令57条の2・20条の2)の申請書について定めた消費税法施行規則17条4項・11条4項には、「生じた日」「やんだ日」は記載事項として置かれていません。実際に提出する書類と記載内容については、税理士または税務署にご確認ください。
この記事の要点
- 災害等があった場合の簡易課税の届出特例(消費税法37条の2)の承認申請書の記載事項は、消費税法施行規則17条の2が定めている。条の見出しは「災害等があつた場合の中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の届出に関する特例の承認申請書の記載事項」。
- 同条は1号・2号の2つに分かれている。1号は消費税法37条の2第1項の承認(簡易課税の適用を受けることが必要となった場合)、2号は同条6項の承認(適用を受けることの必要がなくなった場合)に対応する。
- 1号・2号のどちらにも「災害その他やむを得ない理由の生じた日及びそのやんだ日の年月日」が記載事項として置かれている。条文は「及び」でつないでおり、書く日付は2つある。
- 1号には「申請者の行う事業の内容及び令第五十七条第五項第一号から第六号までに掲げる事業の種類」が置かれている。これは簡易課税のみなし仕入率に対応する第1種事業から第6種事業の区分である。
- 2号(やめようとする側)には、事業の種類が記載事項として置かれていない。1号と2号は、書く項目の数も中身も同じではない。
- 期限に間に合わなかったときの承認(系統A)の側を見ると、消費税法施行規則17条4項(簡易課税)には事業の種類はあるが「生じた日」「やんだ日」はない。同11条4項(課税事業者選択)には、事業の種類も2つの日付もない。
- つまり「生じた日」と「やんだ日」を2つ書かせているのは、3つの記載事項のうち災害等の特例(施行規則17条の2)だけである。
- 根拠となる委任は消費税法37条の2第2項にある。同項は「前条第一項の規定の適用を受けることが必要となつた事情その他財務省令で定める事項を記載した申請書を」提出しなければならないと定めており、「その他財務省令で定める事項」の受け皿が施行規則17条の2である。
- 申請書の提出期限は施行規則ではなく法律側にある。消費税法37条の2第2項は「災害その他やむを得ない理由のやんだ日から二月以内」としたうえで、やんだ日が選択被災課税期間の末日の翌日以後に到来する場合は「当該選択被災課税期間に係る第四十五条第一項の規定による申告書の提出期限まで」と括弧書きで定めている。
制度の話ではなく、「申請書に何を書くか」の話です
災害にあって簡易課税制度に切り替えたいとき、消費税法には専用の救済があります。消費税法37条の2の「災害等があつた場合」の特例です。制度そのものの説明は、別の記事に譲ります。
この記事が扱うのは、その一歩先です。承認申請書に、実際に何を書くことになっているのか。
その答えは法律には書かれていません。消費税法37条の2第2項が、こう委ねているためです。
前項の承認を受けようとする事業者は、前条第一項の規定の適用を受けることが必要となつた事情その他財務省令で定める事項を記載した申請書を…提出しなければならない
この「財務省令で定める事項」の受け皿が、消費税法施行規則17条の2です。条の見出しは、そのまま「災害等があつた場合の中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の届出に関する特例の承認申請書の記載事項」となっています。
日付は1つではなく、2つ書く組み立てになっています
施行規則17条の2は、申請する事業者を2つに分けて記載事項を並べています。
- 1号 — 消費税法37条の2第1項の承認を受けようとする事業者(簡易課税の適用を受けることが必要となった側)
- 2号 — 同条第6項の承認を受けようとする事業者(適用を受けることの必要がなくなった側)
そして1号・2号のどちらにも、次の項目が置かれています。
法第三十七条の二第一項に規定する災害その他やむを得ない理由の生じた日及びそのやんだ日の年月日
条文は「生じた日」と「そのやんだ日」を「及び」でつないでいます。つまり記載事項として並んでいる日付は、1つではなく2つです。
これは読み飛ばしやすいところです。災害の申請というと「いつ被災したか」を書くもののように見えますが、条文は終わった日も並べて求めています。
1号と2号は、書く項目の数が違います
同じ条の中でも、必要になった側とやめる側で項目がそろっていません。
| 記載事項 | 1号(37条の2第1項・必要となった側) | 2号(37条の2第6項・やめようとする側) |
|---|---|---|
| 氏名または名称・納税地(法人番号を有する者は名称・納税地・法人番号) | ○ | ○ |
| 申請者の行う事業の内容および令57条5項1号〜6号の事業の種類 | ○ | 記載事項に挙げられていない |
| 適用を受けようとする課税期間の初日の年月日 | ○ | ○ |
| その課税期間の基準期間における課税売上高 | ○ | ○ |
| 災害等の生じた日およびそのやんだ日の年月日 | ○ | ○ |
| その他参考となるべき事項 | ○ | ○ |
1号の「事業の種類」は、消費税法施行令57条5項1号から6号までを指しています。簡易課税制度のみなし仕入率に対応する、第1種事業から第6種事業の区分です。
やめようとする側(2号)に、この区分がありません。条文の並びを見るかぎり、業種区分を書かせるのは、これから簡易課税を適用する側だけという組み立てになっています。
「間に合わなかったときの承認」の側には、2つの日付がありません
消費税には、期限までに届出書を出せなかったときの承認もあります。こちらは条文が別で、記載事項を定めた省令も別です。3つを並べると、違いがはっきりします。
| 承認の種類 | 記載事項を定めた省令 | 事業の種類 | 生じた日・やんだ日 |
|---|---|---|---|
| 課税事業者選択について、期限に間に合わなかったとき(消費税法施行令20条の2第3項) | 消費税法施行規則11条4項 | なし | なし |
| 簡易課税について、期限に間に合わなかったとき(消費税法施行令57条の2第3項) | 消費税法施行規則17条4項 | あり | なし |
| 災害等があった場合の特例(消費税法37条の2第2項) | 消費税法施行規則17条の2 | 1号のみあり | 1号・2号ともにあり |
3つのうち、2つの日付を書かせているのは災害等の特例だけです。
施行規則11条4項・17条4項を実際に読むと、どちらも「氏名又は名称」「納税地」「基準期間における課税売上高」「その他参考となるべき事項」を軸にしており、災害がいつ始まっていつ終わったかを書かせる項目は置かれていません。
なお、この3つは救済の中身も別です。制度としての違い(対象になる事情、みなし承認の有無、簡易課税の2年・3年の制限の扱い)は、別の記事で条文ごとに整理しています。
提出期限は、省令ではなく法律側に書かれています
記載事項は省令にありますが、いつまでに出すかは法律に書かれています。消費税法37条の2第2項です。
…申請書を、前項に規定する災害その他やむを得ない理由のやんだ日から二月以内(当該災害その他やむを得ない理由のやんだ日がその申請に係る選択被災課税期間の末日の翌日以後に到来する場合には、当該選択被災課税期間に係る第四十五条第一項の規定による申告書の提出期限まで)に…提出しなければならない
原則は「やんだ日から2か月以内」で、括弧書きに例外が1つ置かれています。この第2項は、同条7項によって、やめようとする側(6項)についても準用されます。
ここで、記載事項の話とつながります。期限の起算日は「やんだ日」です。そして「やんだ日」は、施行規則17条の2が記載事項として書かせている日付でもあります。申請書に書く日付と、期限を数える起点が同じ日を指している、という組み立てです。
その日が具体的に何月何日になるかは、事実の当てはめです。災害がやんだ日をいつと見るかは、この記事では判断できません。税理士または税務署にご確認ください。
この記事のまとめ
- 災害等があった場合の簡易課税の届出特例(消費税法37条の2)の承認申請書の記載事項は、消費税法施行規則17条の2が定めている。
- 同条は1号(必要となった側)と2号(やめようとする側)に分かれ、どちらにも「生じた日」と「そのやんだ日」の両方が置かれている。書く日付は2つ。
- 1号だけに「事業の内容および令57条5項1号〜6号の事業の種類」(第1種〜第6種)がある。2号にはない。
- 期限に間に合わなかったときの承認の側(施行規則11条4項・17条4項)には、2つの日付は置かれていない。
- 申請書の提出期限は省令ではなく法律側(消費税法37条の2第2項)にあり、原則「やんだ日から2か月以内」で括弧書きの例外が1つある。
実際に提出する書類、記載する内容、そして承認を受けられるかどうかについては、税理士または税務署にご確認ください。
経営者の疑問と、制度の事実
答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。
経営者先月の豪雨で店が浸水した。簡易課税に切り替えるための承認申請をしたいが、申請書には災害があった日を書けばいいのか。
制度の事実消費税法施行規則17条の2第1号ホは、記載事項として「法第三十七条の二第一項に規定する災害その他やむを得ない理由の生じた日及びそのやんだ日の年月日」と定めています。条文は「生じた日」と「そのやんだ日」を「及び」でつないでいますので、記載事項としては日付が2つ並んでいることになります。また、同じ1号には、申請者の行う事業の内容および消費税法施行令57条5項1号から6号までに掲げる事業の種類、適用を受けようとする課税期間の初日の年月日、その課税期間の基準期間における課税売上高も挙げられています。御社の場合にそれぞれの日が何月何日になるか、また承認の対象になるかどうかは、税理士または税務署にご確認ください。
経営者簡易課税をやめる側の申請書も、書くことは同じなのか。
制度の事実同じではありません。消費税法施行規則17条の2は1号と2号に分かれており、2号(消費税法37条の2第6項の承認を受けようとする事業者)の記載事項は、申請者の氏名または名称および納税地、適用を受けようとする課税期間の初日の年月日、その課税期間の基準期間における課税売上高、災害その他やむを得ない理由の生じた日およびそのやんだ日の年月日、その他参考となるべき事項です。1号にある「事業の種類」は、2号には挙げられていません。一方で「生じた日及びそのやんだ日」は1号・2号の両方に置かれています。御社がどちらの号に当たるかについては、税理士または税務署にご確認ください。
経営者去年、届出を出し忘れたときにも承認の申請をした。あのときの書類と同じものか。
制度の事実根拠となる条文が別で、記載事項も同じではありません。期限に間に合わなかったときの承認は、簡易課税であれば消費税法施行令57条の2、課税事業者選択であれば同令20条の2に基づくもので、記載事項はそれぞれ消費税法施行規則17条4項・11条4項が定めています。施行規則17条4項には「事業の種類」はありますが「生じた日」「やんだ日」はなく、施行規則11条4項にはそのどちらもありません。これに対して、災害等があった場合の特例(消費税法37条の2)の承認申請書の記載事項は消費税法施行規則17条の2が定めており、こちらには2つの日付が置かれています。どの制度に当たるかの判断については、税理士または税務署にご確認ください。
よくある質問
- 災害の日付は、いつの日を書くことになっているのですか。
- 消費税法施行規則17条の2は、1号ホおよび2号ニとして「法第三十七条の二第一項に規定する災害その他やむを得ない理由の生じた日及びそのやんだ日の年月日」を挙げています。条文は「生じた日」と「そのやんだ日」を「及び」でつないでいるため、記載事項としては2つの日付が並んでいます。それぞれの日が具体的にいつになるかの当てはめについては、税理士または税務署にご確認ください。
- 1号と2号は、何が違うのですか。
- 1号は消費税法37条の2第1項の承認を受けようとする事業者、2号は同条6項の承認を受けようとする事業者に対応しています。1号の記載事項は、申請者の氏名または名称および納税地(法人番号を有する者は名称・納税地・法人番号)、申請者の行う事業の内容および令57条5項1号から6号までに掲げる事業の種類、適用を受けようとする課税期間の初日の年月日、その課税期間の基準期間における課税売上高、災害その他やむを得ない理由の生じた日およびそのやんだ日の年月日、その他参考となるべき事項です。2号は、氏名または名称および納税地、適用を受けようとする課税期間の初日の年月日、その課税期間の基準期間における課税売上高、生じた日およびやんだ日の年月日、その他参考となるべき事項です。2号には事業の種類が挙げられていません。
- 「事業の種類」とは、何を書く欄ですか。
- 消費税法施行規則17条の2第1号ロは「申請者の行う事業の内容及び令第五十七条第五項第一号から第六号までに掲げる事業の種類」と定めています。消費税法施行令57条5項は1号から6号までで事業の区分を定めており、簡易課税制度のみなし仕入率に対応する第1種事業から第6種事業の区分です。どの区分に当たるかの判定については、税理士または税務署にご確認ください。
- 期限に間に合わなかったときの承認でも、同じことを書くのですか。
- 記載事項を定めた条文が別にあり、内容も同じではありません。簡易課税について期限に間に合わなかったときの承認(消費税法施行令57条の2第3項)の受け皿は消費税法施行規則17条4項で、そこには「申請者の行う事業の内容及び令第五十七条第五項第一号から第六号までに掲げる事業の種類」と「法第三十七条第一項の規定の適用を受けようとする課税期間の基準期間における課税売上高」が挙げられていますが、「生じた日」「やんだ日」は挙げられていません。課税事業者選択について期限に間に合わなかったときの承認(消費税法施行令20条の2第3項)の受け皿は消費税法施行規則11条4項で、こちらには事業の種類も2つの日付も挙げられていません。どの承認に当たるかについては、税理士または税務署にご確認ください。
- 申請書は、いつまでに提出することになっていますか。
- 提出期限は施行規則ではなく法律側に書かれています。消費税法37条の2第2項は、申請書を「前項に規定する災害その他やむを得ない理由のやんだ日から二月以内」に提出しなければならないと定め、続く括弧書きで「当該災害その他やむを得ない理由のやんだ日がその申請に係る選択被災課税期間の末日の翌日以後に到来する場合には、当該選択被災課税期間に係る第四十五条第一項の規定による申告書の提出期限まで」と定めています。同項は同条7項において、やめようとする側(6項)についても準用されます。具体的な期限の当てはめについては、税理士または税務署にご確認ください。
- 「その他参考となるべき事項」には何を書くのですか。
- 消費税法施行規則17条の2は、1号ヘおよび2号ホとして「その他参考となるべき事項」を挙げていますが、その中身は同条には書かれていません。なお消費税法37条の2第2項は、申請書について「前条第一項の規定の適用を受けることが必要となつた事情その他財務省令で定める事項を記載した申請書」と定めており、「必要となつた事情」は法律側に書かれた記載内容です。実際の記載方法については、税理士または税務署にご確認ください。
個別の判断について
適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。
出典(一次情報)
- e-Gov 法令検索 消費税法施行規則 第17条の2(災害等があつた場合の中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の届出に関する特例の承認申請書の記載事項)・第17条第4項・第11条第4項(2026年10月1日施行版 363M50000040053_20261001_508M60000040019)確認日 2026-09-26
- e-Gov 法令検索 消費税法 第37条の2(災害等があつた場合の中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の届出に関する特例)(2026年4月1日施行版 363AC0000000108_20260401_508AC0000000012)確認日 2026-09-26
法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。