割れた課税期間に返品があるとき、引き方は前半と後半で変わります(国税庁の設例6)
最終確認日: (数値は一次情報で照合)
年の途中でインボイス発行事業者の登録を受けた課税期間について、国税庁の設例別の消費税申告書の計算・記載方法の設例6は、課税売上高の計算を2つの期間に分けています。免税事業者だった1月1日から9月30日までの期間については、課税売上高375,646,700円に免税売上高11,822,100円を加え、売上対価の返還等9,900,300円を控除して377,568,500円としています。いずれも税込みの金額のままで、100分の108や100分の110を乗じる処理は行われていません。課税事業者だった10月1日から12月31日までの期間については、売上げを100分の108・100分の110で税抜きに直したうえで、返還等も同じく税抜きに直してから控除し、122,592,519円としています。1つの課税期間の中で、返還等の引き方が前半と後半で変わる形です。ただし、この設例が計算しているのは消費税法30条6項に定める課税期間における課税売上高(仕入税額控除の5億円超の判定)であり、消費税法9条2項の基準期間における課税売上高そのものの計算例ではありません。もっとも同設例の注記は、5億円超の判定における課税売上高と「この課税期間を基準期間とする際の基準期間における課税売上高」を同じ文で並べ、いずれも免税事業者である期間の課税売上高を含み、税抜処理は行わないとしています。自社の返還等の当てはめは、税理士または税務署にご確認ください。
この記事の要点
- 国税庁の設例別の消費税申告書の計算・記載方法の設例6は、12月決算の法人が10月1日に登録した課税期間について、課税売上高をイ(1月〜9月)とロ(10月〜12月)に分けて計算している(PDF原本5ページ・確認日2026-09-21)。
- イ(免税だった期間)は375,646,700円+11,822,100円-9,900,300円=377,568,500円。売上げも返還等も税込みのままで、100分の108や100分の110を乗じる処理は行われていない。
- ロ(課税事業者だった期間)は、先に売上げを税抜きに直し(43,849,500円×100/108=40,601,388円、87,699,400円×100/110=79,726,727円)、そのうえで返還等を税抜きに直した金額を控除する(40,601,388円-813,610円×100/108=39,848,046円、79,726,727円-2,486,500円×100/110=77,466,273円)。原本はこの2段階で書いており、各段階で1円未満が切り捨てられている。2段階を1本の式に圧縮して計算すると、7.8%分は77,466,272円となり原本の77,466,273円と1円ずれる(当サイトが原本の数値で検算した結果である・確認日2026-09-21)。
- 設例の前提に「令和5年1月1日から9月30日までの課税売上高にかかる売上対価の返還等については、免税事業者である同期間中に行ったものである」と明記されている(原文)。
- 消費税法基本通達14-1-6のなお書きは、免税事業者であった課税期間に行った課税資産の譲渡等についての返還等について、消費税法9条2項1号・消費税法施行令48条1項2号・同53条3項2号の適用上、これらの各号に規定する消費税額に78分の100を乗じて算出した金額はないとしている(国税庁原文・確認日2026-09-21)。
- 設例6が計算しているのは消費税法30条6項の課税期間における課税売上高であり、消費税法9条2項の基準期間における課税売上高そのものの計算例ではない。ただし両者は、消費税法28条1項の対価の額と、返還等の金額から消費税額に78分の100を乗じた金額を控除する形という同じ構造で定義されている(e-Gov原文・確認日2026-09-21)。
- 同設例の注記は、5億円超の判定における課税売上高と「この課税期間を基準期間とする際の基準期間における課税売上高」を同じ文に並べ、いずれも免税事業者である期間の課税売上高を含み税抜処理は行わないとしている。
年の途中でインボイスの登録をすると、その課税期間は前半が免税事業者、後半が課税事業者になります。
前半の売上げは税込のまま、後半の売上げは税抜きに直して課税売上高に入ります。この売上げ側の話は、当サイトの別記事([年の途中で課税事業者になった年は、2年後の基準期間の計算で前半と後半に割れます](/articles/chuto-kazei-jigyosha-kijun-kikan/))で扱いました。
この記事は、その年に返品・値引きがあった場合を扱います。返還等の側も、同じ境目で分かれます。
根拠は、国税庁の設例別の消費税申告書の計算・記載方法の設例6です。2026年9月21日にPDF原本から取得した数値で整理します。
設例6の前提
設例6の表題は「本則課税(課税期間の中途で免税事業者から課税事業者となる場合)」です。登場するのは㈱国税商事という法人で、課税期間は令和5年1月1日から12月31日までです。
前提を原文から引きます。
〇 なお、㈱国税商事は令和5年10月1日から適格請求書発行事業者となり、それまでの間は免税事業者であり、税込経理を行っている。 ○ 令和5年1月1日から9月30日までの課税売上高にかかる売上対価の返還等については、免税事業者である同期間中に行ったものである。
返還等がいつ行われたものかが、前提として明示されています。この記事が扱うのは、まさにこの部分です。
国税庁の計算 — 前半と後半で引き方が違う
PDF原本5ページの⒁「課税売上高の計算」です。原文を引きます。
⒁ 課税売上高の計算 イ 令和5年1月1日~9月 30 日までの間 375,646,700 円+11,822,100 円-9,900,300 円=377,568,500 円 ロ 令和5年 10 月1日から 12 月 31 日までの間 122,592,519 円(付表2-3「課税資産の譲渡等の対価の額④」欄) ハ イ+ロ=500,161,019 円>500,000,000 円
イ(免税だった期間)を見てください。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 課税売上高 | 375,646,700円 |
| 免税売上高 | +11,822,100円 |
| 売上対価の返還等 | −9,900,300円 |
| 計 | 377,568,500円 |
100分の108も、100分の110も、どこにも出てきません。売上げも返還等も、税込みの金額のままです。
後半は、返還等も税抜きに直してから引いています
ロの122,592,519円は、同じPDFの付表2-3の作成の項で組み立てられています。原文の数式を並べます。
43,849,500 円×100/108=40,601,388 円 87,699,400 円×100/110=79,726,727 円 40,601,388 円-813,610 円×100/108=39,848,046 円 79,726,727 円-2,486,500 円×100/110=77,466,273 円 39,848,046 円+77,466,273 円=117,314,319 円 117,314,319 円+5,278,200 円=122,592,519 円
返還等の813,610円・2,486,500円にも、100/108・100/110が掛けられています。
売上げを税抜きに直し、返還等も税抜きに直し、そのうえで引く。前半とは手順が違います。
1つの課税期間の中で、返還等の引き方が前半と後半で変わっていることが、国税庁自身の計算で示されています。
なぜ前半は税込のまま引くのか
消費税法9条2項1号は、返還等についてイとロの2段構えをとっています(e-Gov法令検索・確認日2026年9月21日・原文)。
イ 基準期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額 ロ 基準期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額に七十八分の百を乗じて算出した金額
差し引くのは「イからロを控除した金額」です。つまりロが税抜きに直すための部分にあたります。
そして消費税法基本通達14-1-6のなお書きが、こう定めています(国税庁・確認日2026年9月21日・原文)。
なお、この場合の法第9条第2項第1号《小規模事業者に係る納税義務の免除》、令第48条第1項第2号《課税売上割合の計算方法》又は第53条第3項第2号《課税売上割合が著しく変動した場合等》の規定の適用に当たっては、これらの各号に規定する消費税額に78分の100を乗じて算出した金額はないことに留意する。
ロがない、という定めです。ロがなければ「イ−ロ」はイそのものになります。結果として、返還等の金額がそのまま引かれます。
理由は「課税期間」ではなく「その売上げ」に結び付けられています
国税庁の質疑応答事例「免税期間の資産の譲渡に係る対価の返還等の取扱い」が、14-1-6のなお書きに理由を1つ付けています(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づく・確認日2026年9月21日・原文)。
なお、消費税法第9条第2項に規定する基準期間における課税売上高の計算及び消費税法施行令第48条第1項に定める課税売上割合の計算において、免税事業者であった課税期間における売上げに係る対価の返還等があった場合には、その売上げは消費税の納税が免除されている課税期間に係るものであることから、その売上げに係る対価の返還等に対する消費税額(法9一ロの額及び令48二ロの額)はないものとして課税売上高及び課税売上割合の計算を行います。
理由が「その売上げは…課税期間に係るものであることから」と、売上げを主語にして書かれています。
「その課税期間がまるごと免税だったから」ではありません。この書き方が、1つの課税期間の中で扱いが分かれることと対応しています。
設例6が計算しているのは、どの課税売上高か(区別が要ります)
ここは正確に分けておきます。
設例6のイ・ロ・ハが計算しているのは、仕入税額控除における「課税売上高5億円超」の判定(消費税法30条2項)です。その課税売上高は消費税法30条6項に定義されています。
納税義務の判定に使う基準期間における課税売上高は、消費税法9条2項の定義です。条文としては別のものです。
そのうえで、事実として言えることが3つあります。
第一に、2つの定義は同じ構造です。消費税法30条6項の原文です(e-Gov法令検索・確認日2026年9月21日)。
第二項に規定する課税期間における課税売上高とは、当該事業者が当該課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等の対価の額(第二十八条第一項に規定する対価の額をいう。以下この項において同じ。)の合計額から当該課税期間における売上げに係る税抜対価の返還等の金額(当該課税期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額から同項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額に七十八分の百を乗じて算出した金額を控除した金額をいう。)の合計額を控除した残額
消費税法28条1項の対価の額を土台にし、返還等の金額から「消費税額×78/100」を控除した金額を差し引く。消費税法9条2項1号のイ・ロとまったく同じ形です。
第二に、国税庁自身が両者を同じ文に並べています。設例6の※注記です。
※ 控除対象仕入税額の計算における「課税売上高5億円超」の判定における課税売上高及びこの課税期間を基準期間とする際の基準期間における課税売上高は、免税事業者である期間の課税売上高を含むことに留意が必要です。 なお、免税事業者である期間の課税売上高につき、税抜処理は行いません。
第三に、売上げの側の按分は、基準期間について国税庁が直接示しています。インボイスQ&A問8-2です(→ [年の途中で課税事業者になった年は、2年後の基準期間の計算で前半と後半に割れます](/articles/chuto-kazei-jigyosha-kijun-kikan/))。
一方で、割れた課税期間の返還等の引き方を、消費税法9条2項について名指しで述べた一文は、当サイトが確認した範囲では見当たりませんでした(確認日2026年9月21日)。
ご自身の年分についての当てはめは、税理士または税務署にご確認ください。
返品がなかった年の設例も並んでいます
同じ設例集には、課税期間の中途で課税事業者となるという同じ形で、免税だった期間に売上対価の返還等がない設例(設例7)もあります。そちらのイの計算には、返還等の控除が現れません。
返還等の有無だけが違う2本が並んでいることになります。
この記事のまとめ
- 年の途中で登録した課税期間に返品・値引きがあると、引き方が前半と後半で変わります(国税庁・設例6)。
- 免税だった期間は、売上げも返還等も税込みのまま。イは 375,646,700円+11,822,100円-9,900,300円=377,568,500円 です。
- 課税事業者だった期間は、売上げも返還等も税抜きに直してから控除します(×100/108・×100/110)。
- 根拠は、消費税法9条2項1号のイ・ロと、ロがないとする消費税法基本通達14-1-6のなお書きです。
- 国税庁の質疑応答事例は、その理由を「その売上げは消費税の納税が免除されている課税期間に係るものであることから」と書いています。
- ただし設例6が計算しているのは消費税法30条6項の課税売上高です。消費税法9条2項の定義とは同じ構造であり、国税庁は注記で両者を同じ文に並べていますが、9条2項について名指しで書かれた一文は当サイトでは確認できていません。
返還等がいつ行われたものかの判定、返還等の金額の区分、申告書への記載については、税理士または税務署にご確認ください。
経営者の疑問と、制度の事実
答えるのは制度の事実だけです。有利・不利は事業ごとの事情で変わるため、判断は税理士・税務署にご確認ください。
経営者去年の10月にインボイスの登録をした。年の前半、まだ免税だったころに納めた商品の返品を、同じ年の夏に受けている。この返品は売上高からどう引けばいいのか。
制度の事実国税庁の設例別の消費税申告書の計算・記載方法の設例6が、同じ形の前提を置いています。設例の前提には「令和5年1月1日から9月30日までの課税売上高にかかる売上対価の返還等については、免税事業者である同期間中に行ったものである」と明記されています。その計算は、免税だった期間について375,646,700円+11,822,100円-9,900,300円=377,568,500円で、売上げにも返還等にも100分の108や100分の110を乗じていません。課税事業者だった10月以後の期間は、売上げも返還等も税抜きに直したうえで控除されています。御社の返品がどの期間に行われたものか、またその処理については、税理士または税務署にご確認ください。
経営者同じ1年の中で引き方が2通りになるというのは落ち着かない。根拠はどこにあるのか。
制度の事実条文と通達の両方に手掛かりがあります。消費税法9条2項1号は、返還等について、イ(返還等の金額)からロ(その返還等の金額に係る消費税額に78分の100を乗じて算出した金額)を控除した金額を差し引くという形をとっています。消費税法基本通達14-1-6のなお書きは、免税事業者であった課税期間に行った課税資産の譲渡等についての返還等の場合、この規定の適用に当たっては「これらの各号に規定する消費税額に78分の100を乗じて算出した金額はないことに留意する」としています。つまりロの額が生じないため、返還等の金額がそのまま引かれることになります。国税庁の質疑応答事例は、その理由を「その売上げは消費税の納税が免除されている課税期間に係るものであることから」と書いています。理由が課税期間まるごとではなく「その売上げ」に結び付けられている点が、1つの課税期間の中で扱いが分かれることと対応しています。御社の当てはめは、税理士または税務署にご確認ください。
経営者この設例は、うちが2年後に納税義務を判定するときの計算例そのものと考えていいのか。
制度の事実そこは区別が要ります。設例6のイ・ロ・ハが計算しているのは、仕入税額控除における「課税売上高5億円超」の判定であり、その課税売上高は消費税法30条6項に定義されています。納税義務の判定に使う基準期間における課税売上高は消費税法9条2項の定義で、条文としては別です。事実として言えるのは次の3点です。第一に、両者はいずれも消費税法28条1項の対価の額から、返還等の金額から消費税額に78分の100を乗じた金額を控除した額を差し引くという同じ構造で書かれています。第二に、国税庁は設例6の注記で「『課税売上高5億円超』の判定における課税売上高及びこの課税期間を基準期間とする際の基準期間における課税売上高は、免税事業者である期間の課税売上高を含むことに留意が必要です。なお、免税事業者である期間の課税売上高につき、税抜処理は行いません。」と、両者を同じ文に並べています。第三に、売上げの側の按分については、国税庁のインボイスQ&A問8-2が基準期間について直接示しています。他方で、割れた課税期間の返還等の引き方を消費税法9条2項について名指しで述べた一文は、当サイトが確認した範囲では見当たりませんでした。御社の納税義務の判定にあたっての当てはめは、税理士または税務署にご確認ください。
よくある質問
- 年の途中で課税事業者になった年に返品がありました。返品の金額はどこから引くのですか。
- 国税庁の設例別の消費税申告書の計算・記載方法の設例6は、返還等をその返還等が行われた期間の側から引いています。免税だった1月1日から9月30日までに行われた売上対価の返還等9,900,300円は、同じ期間の課税売上高375,646,700円と免税売上高11,822,100円の側から控除され、377,568,500円になっています。課税事業者だった10月1日以後の返還等は、10月以後の売上げの側から控除されています。自社の返還等がどの期間に行われたものかの判定と、その引き方については、税理士または税務署にご確認ください。
- 免税だった期間の返品は、税抜きに直してから引くのですか。
- 設例6では税抜きに直す処理が行われていません。イの計算は375,646,700円+11,822,100円-9,900,300円=377,568,500円で、売上げにも返還等にも100分の108や100分の110を乗じていません。一方、課税事業者だった期間については、813,610円×100/108、2,486,500円×100/110というように、返還等も税抜きに直したうえで控除されています。同じ課税期間の中で扱いが変わる形です。自社の計算については、税理士または税務署にご確認ください。
- 設例6の計算をすべて見せてください。
- PDF原本5ページの⒁「課税売上高の計算」に次のとおり記載されています。イ 令和5年1月1日~9月30日までの間 375,646,700円+11,822,100円-9,900,300円=377,568,500円。ロ 令和5年10月1日から12月31日までの間 122,592,519円(付表2-3「課税資産の譲渡等の対価の額④」欄)。ハ イ+ロ=500,161,019円>500,000,000円。ロの122,592,519円の内訳は、同PDFの付表2-3の作成の項に、43,849,500円×100/108=40,601,388円、87,699,400円×100/110=79,726,727円、40,601,388円-813,610円×100/108=39,848,046円、79,726,727円-2,486,500円×100/110=77,466,273円、39,848,046円+77,466,273円=117,314,319円、117,314,319円+5,278,200円=122,592,519円として示されています(確認日2026-09-21)。
- この設例は、納税義務の判定に使う基準期間の課税売上高の計算例ですか。
- いいえ。設例6のイ・ロ・ハが計算しているのは、消費税法30条2項の仕入税額控除における「課税売上高5億円超」の判定であり、その課税売上高は同条6項に定義されています。消費税法9条2項の基準期間における課税売上高そのものの計算例ではありません。ただし同設例の注記は「控除対象仕入税額の計算における『課税売上高5億円超』の判定における課税売上高及びこの課税期間を基準期間とする際の基準期間における課税売上高は、免税事業者である期間の課税売上高を含むことに留意が必要です。なお、免税事業者である期間の課税売上高につき、税抜処理は行いません。」として、両者を同じ文に並べています。自社の基準期間の計算は、税理士または税務署にご確認ください。
- 消費税法30条6項と9条2項1号は、どのくらい似ているのですか。
- いずれも、消費税法28条1項に規定する対価の額の合計額から、売上げに係る税抜対価の返還等の金額の合計額を控除した残額という形で定義されています。消費税法30条6項は「課税資産の譲渡等の対価の額(第二十八条第一項に規定する対価の額をいう。以下この項において同じ。)の合計額から当該課税期間における売上げに係る税抜対価の返還等の金額(当該課税期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額から同項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額に七十八分の百を乗じて算出した金額を控除した金額をいう。)の合計額を控除した残額」としています。消費税法9条2項1号も、同じ28条1項の対価の額から、イ(返還等の金額)からロ(その消費税額に78分の100を乗じた金額)を控除した金額の合計額を控除する形です(e-Gov原文・確認日2026-09-21)。
- 通達や質疑応答事例には、どう書かれていますか。
- 消費税法基本通達14-1-6のなお書きは「この場合の法第9条第2項第1号《小規模事業者に係る納税義務の免除》、令第48条第1項第2号《課税売上割合の計算方法》又は第53条第3項第2号《課税売上割合が著しく変動した場合等》の規定の適用に当たっては、これらの各号に規定する消費税額に78分の100を乗じて算出した金額はないことに留意する」としています。国税庁の質疑応答事例「免税期間の資産の譲渡に係る対価の返還等の取扱い」も「免税事業者であった課税期間における売上げに係る対価の返還等があった場合には、その売上げは消費税の納税が免除されている課税期間に係るものであることから、その売上げに係る対価の返還等に対する消費税額(法9一ロの額及び令48二ロの額)はないものとして課税売上高及び課税売上割合の計算を行います」としています(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づく・確認日2026-09-21)。いずれも理由を「その売上げ」に結び付けて書いています。
- 返品がなかった年の設例もありますか。
- 国税庁の設例別の消費税申告書の計算・記載方法には、同じように課税期間の中途で課税事業者となる設例で、免税だった期間に売上対価の返還等がないものもあります。設例7です。そちらのイの計算には返還等の控除が現れません。返還等の有無だけが違う設例が並んでいる形になっています。
個別の判断について
適用の可否や有利・不利は、事業区分・基準期間の課税売上高・過去の届出など個別の事情で変わります。実際の判断の前に、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご相談ください。
出典(一次情報)
- 国税庁 設例別の消費税申告書の計算・記載方法 設例6「本則課税(課税期間の中途で免税事業者から課税事業者となる場合)」(PDF原本13ページ)確認日 2026-09-21
- 国税庁 消費税法基本通達 第14章第1節 14-1-6(免税事業者であった課税期間において行った課税資産の譲渡等について対価の返還等をした場合)の原文確認日 2026-09-21
- 国税庁 質疑応答事例 消費税「免税期間の資産の譲渡に係る対価の返還等の取扱い」(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づく)確認日 2026-09-21
- e-Gov法令検索 消費税法 第30条第6項・第9条第2項第1号・第28条第1項(2026年10月1日施行版・版ID 363AC0000000108_20261001_428AC0000000015)確認日 2026-09-21
- 国税庁 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問8-2【令和6年4月追加】(PDF原本)確認日 2026-09-21
法令・国税庁・省庁など公的機関の公表資料のみを参照しています(解説記事等の二次情報は使用していません)。